最新記事

新型肺炎

新型肺炎、日本国内で2人目の患者 医療関係など接触者20人を経過観察中

2020年1月24日(金)17時33分

厚生労働省は、新型コロナウイルスによる肺炎を発症した患者を確認したと発表した。国内では2人目。香港で23日撮影(2020年 ロイター/Tyrone Siu)

厚生労働省は24日、新型コロナウイルスによる肺炎を発症した患者を確認したと発表した。国内では2人目。この日から中国が春節入りし、多数の中国人観光客が訪日すると予想される中、政府としては「週末の間も、緊張感をもって状況を注視し、サーベイランスなどを着実に実施する」(西村明宏官房副長官)という。

厚労省によると、新たに感染が確認された患者は中国湖北省・武漢市に住む40代の男性。今月14日に発熱し、その後中国国内の医療機関を受診したが肺炎とは診断されず、症状が落ち着いた19日に来日。22日になって再び発熱し、肺炎にかかっていることがわかった。現在、都内の医療機関に転院し、入院している。

厚労省によると、この男性の濃厚接触者については家族も含めて、経過観察しており、日本国内の医療機関の従事者など約20人がその対象となっているという。日本国内での最初の患者の例も含めて、今のところ国内で2次感染は起きてないという。

一部メディアは24日、北海道で中国・武漢から来日した中国人女性が高熱を発し病院に搬送されたと伝えている。これについて西村官房副長官は「個別の疑いの事例についてはコメントを控える」としたうえで、「仮に(感染)患者が発生したら速やかに公表する」と述べた。

一方、武漢には現在、約710人の日本人が滞在しているが、西村副長官によると、現時点でパニックや混乱は起きていないという。

政府はこの日朝、新型コロナウイルス対策の関係閣僚会議を開催、安倍晋三首相は水際対策を徹底するよう指示した。具体的には、中国からのすべての航空便で健康カードを配布し、機内アナウンスを実施するよう航空会社に要請したほか、保健所と連携して疑似症サーベイランス(原因不明の肺炎患者などを把握して検査につなげる制度)などを確実に実施していく。

*内容を追加しました。

[東京 24日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200128issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月28日号(1月21日発売)は「CIAが読み解くイラン危機」特集。危機の根源は米ソの冷戦構造と米主導のクーデター。衝突を運命づけられた両国と中東の未来は? 元CIA工作員が歴史と戦略から読み解きます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB総裁、ウクライナ向け「賠償ローン」でEUの合

ビジネス

米国株式市場=反発、CPI受け利下げ期待 ハイテク

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、11月CPIが予想下回る 

ビジネス

トランプ氏、FRB議長候補のウォラー理事と面会 最
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 2
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 6
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 7
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 8
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 9
    円安と円高、日本経済に有利なのはどっち?
  • 10
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中