最新記事

仮想通貨

遺体を掘り起こせ! 謎の急死を遂げた仮想通貨企業CEOに深まる疑念

2019年12月17日(火)15時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

CoinSpice-YouTubeより

<死を偽装したのではないか──疑念は深まるばかり。ついに債権者らは弁護士を立て、コッテンの死亡証明と検死解剖調査するよう求めている>

今年1月29日、カナダのマウントゴックスともされる暗号取引所「QuadrigaCX(クアドリガCX)」が突然サービスメンテナンス中になり、2月1日には、州最高裁に債権者保護を申請。取引所はすぐにオフラインになった。

明らかになったのは、ジェラルド・コッテン創業者兼CEOが旅先のインドで前年12月9日に死亡し、利用約11万5000人の口座の1億8000万カナダドル(約150億円)のウォレットに永久にアクセスできなくなったということだ。取引所のコールドウォレットのキーを知る唯一の人物こそ死んだ張本人コッテンだった。この状況は今現在も続いており、顧客たちは宙ぶらりんのまま。

普通ならもちろんこのニュースは、業界の一翼を担う人材の訃報として扱われるが、そうとはいかない。亡くなった後、様々な憶測が飛び交っていた

疑惑のネタが次々と・・・

実は、クアドリガCXは一昨年、子会社幹部の不正がカナダ帝国商業銀行(CIBC)に見つかり、アカウントは凍結。この時顧客388人の280万カナダドルが取り出せなくなり、これが解除されたのが昨年12月。やっと安心して利用できると思ったところに今度はCEOの突然の死ときた。

ことの経緯があまりにも出来上がりすぎていて、彼が死を偽装したのではないかと疑う声が上がった。

なぜなら、コッテンの死は、死後1ヶ月ものあいだ公にされないままにも関わらず、クアドリガCXは預金を受け入れていたが、少なくとも顧客の一部はその期間中に資金を引き出すことができなかったという。その一方でチワワに100万ドル(1億1000万円)を遺すという内容の遺書は直前に書かれていたという情報もあり、顧客たちの不信感は高まるばかり。

しかも、QuadrigaCXの裁判所指定モニターを務める、会計大手アーンスト・アンド・ヤング(EY)の調査から、取引所の暗号ウォレットは空っぽで、ほとんどが他の取引所か違うウォレットに転送されたことが明らかになった。

さらに、コッテンはQuadrigaCXから取得した暗号の一部を使用し、小型株の暗号通貨でのマージン取引をした可能性が高いことまで判明した。

そしてもう一点、胡散臭いポイントは、コッテンの死因だ。「彼はクローン病の合併症で死亡したが、これは一般に致命的ではない」と指摘されている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、対コロンビア軍事作戦を警告 「良い考え

ビジネス

台湾検察、東京エレク現法を追起訴 TSMC機密取得

ビジネス

英消費者向け融資、11月は2年ぶり大幅増 家計需要

ワールド

中国、パキスタンとの緊密な関係再確認 米の接近警戒
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...強さを解放する鍵は「緊張」にあった
  • 2
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 3
    2026年の節目に問う 「めぐみの母がうらやましい」── 韓国拉致被害者家族が見る日韓の絶望的な差
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    野菜売り場は「必ず入り口付近」のスーパーマーケッ…
  • 7
    ベネズエラ攻撃、独裁者拘束、同国を「運営」表明...…
  • 8
    スペイン首相、アメリカのベネズエラ攻撃を「国際法…
  • 9
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 10
    顔も位置もDNAも把握される――米国で現実化する「SF級…
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 10
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中