最新記事

香港デモ

香港デモ、警察の強制排除で転落した男子大学生が死亡 抗議活動で初の死者

2019年11月9日(土)07時47分

香港で今月4日に行われた抗議活動に参加し、警察の強制排除の最中に建物から転落したとみられる男子大学生が8日朝、死亡した。写真は抗議活動に参加する卒業した学生。香港で7日撮影(2019年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

香港で今月4日に行われた抗議活動に参加し、警察の強制排除の最中に建物から転落したとみられる男子大学生が8日朝、死亡した。6月から続いている一連の抗議活動で、強制排除中に死者が出たのは初めてで、警察に対する市民の反発が強まり、香港情勢は今後さらに緊迫するとみられている。

病院当局によると、死亡したのは香港科技大学のコンピューターサイエンス学部に在籍する男子学生の周梓楽さん(22)で、けがが原因で8日早朝に死亡した。

周さんが負傷した際の詳しい状況は明らかになっていないが、警察によると、新界地区の駐車場内で、警官らが強制排除を行っていた最中に建物の高層階から低層階に転落したとみられる。

抗議活動の参加者の多くが、周さんが搬送された病院に集まって祈りを捧げたり、病院の壁などにメッセージを残したほか、香港各地の大学で抗議集会が開かれた。ショッピング街の銅鑼湾(コーズウェイベイ)では大勢の人々が警察の暴行に抗議し、「黒警」と叫びながら道路を封鎖した。

香港科技大は、周さんを病院に搬送する際、警察車両に救急車の進入が阻まれた結果、救急隊員らは徒歩での現場到着を余儀なくされ、搬送が20分遅れたと指摘。その上で周さんの死亡原因を特定する独立調査を要求した。

香港政府は遺憾の意を表明した。

警察当局の報道官は目に涙を浮かべ、早急に真相究明に当たると約束し、市民に冷静な行動と自制を求めた。警察側は救急車の進入は妨害していないとしている。

犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案が発端となった反政府デモは、民主化を要求する大規模な活動に発展し、同案が正式に撤回された後も続いている。

*英文の修正より、強制排除中に初の死者が出たことを明確にしました

[8日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191112issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

11月12日号(11月6日発売)は「危ないIoT」特集。おもちゃがハッキングされる!? 室温調整器が盗聴される!? 自動車が暴走する!? ネットにつなげて外から操作できる便利なスマート家電。そのセキュリティーはここまで脆弱だった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア、米・イスラエルのイラン攻撃を非難 「再び危

ワールド

再送-マクロン仏大統領、イラン問題で国連安保理の緊

ワールド

イスラエル、学校閉鎖・集会禁止 イランの報復ミサイ

ワールド

米・イスラエルがイラン攻撃、最高指導者ハメネイ師ら
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力空母保有国へ
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    ウクライナが国産ミサイル「フラミンゴ」でロシア軍事工場を攻撃...「着弾の瞬間」を捉えた衝撃映像を公開
  • 4
    「努力が未来を重くするなら、壊せばいい」──YOSHIKI…
  • 5
    がん治療の限界を突破する「細菌兵器」は、がんを「…
  • 6
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 7
    トランプがイランを攻撃する日
  • 8
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「一人旅が危険な国」ランキン…
  • 10
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 6
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 7
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 8
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 9
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 10
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中