最新記事

英王室

小児性愛の大富豪エプスタインと児童買春に関わったのか?──英アンドルー王子がBBCに生出演

Prince Andrew Stayed in Epstein's Party Mansion Because It Was 'Convenient'

2019年11月18日(月)17時20分
タレク・ハダド

アンドルー王子はエプスタイン邸でパーティーが開かれたことも、セントラルパークでの散歩以外にエプスタインと長時間一緒に過ごしたことも否定している。

王子はまた、エプスタイン邸に未成年の女性がいたことには気づかなかったと述べた。エプスタイン邸は「鉄道の駅」みたいなもので、誰が出入りしていたかについてはコメントのしようがないというのだ。

だが2013年に出版エージェントのジョン・ブロックマンが関係者に送った電子メールにはこんな風に書かれている。「エプスタインの家に最後に行った時、中に入るとスウェットスーツ姿の彼とスーツを着たイギリス人の男(後に王子だと判明)が、2人の着飾った若いロシア人女性から足のマッサージを受けているところだった」

王子はこのメールの内容は事実ではないと述べるとともに、エプスタイン邸でブロックマンと会ったことも否定している。「私はブロックマン氏を知らず、彼が言っていることについても知らない」と王子はインタビューで述べた。

王子の不行跡を示すとされる証拠についてBBCの司会者が追及すると、王子は否定に次ぐ否定で応じた。

エプスタインによる性犯罪を告発した女性の1人バージニア・ロバーツについても、王子は会った「記憶がない」と述べた。ロバーツは当時、エプスタインに売春を強いられており、王子とは3回にわたって性行為をさせられたと主張している。

「病気で汗はかけなかった」

ロバーツによればそのうち1回は、ロンドンにあるジーレーン・マックスウェルという社交界の名士が所有する家で行われたという。だがアンドルーは、その日は娘と一緒に英南部の町ウォーキングにあるピザ店にいたためあり得ないと主張している(本誌は王子の主張が正しいかどうか確認できていない)。

王子はまた、2人で踊った際に王子が汗をかいていたというロバーツの話はあり得ないと声明で述べている。理由は当時、汗をかけない「まれな症状」に悩まされていたからだという。だから、ロバーツの話はでっち上げだというのだ。

「当時、私は汗をかかなかった。言うなればアドレナリンの過剰投与のような状態だったからだ。フォークランド戦争当時に注射されたもの(の影響)で私は単に......ほとんど汗をかけなくなっていた」と王子は述べた。

この主張について、皮膚科のエキスパートであるロンドン大学キングズ・カレッジのジョン・ホーク教授は英紙デイリー・イクスプレスに対しこう述べている。「発汗が困難になるというのは確かにあり得る話だが、アドレナリン過剰投与があれば汗は増えこそすれ減るというのは考えにくい」

「たいていの症例は遺伝性のものだから、これには当てはまらないと思われる。熱中症も原因の1つだが、フォークランドでは起きそうにない。重度の脱水や、モルヒネなどの特定の薬もそうした症状を起こしうるが、可能性としては低い」

(翻訳:村井裕美)

20191126issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

11月26日号(11月19日発売)は「プラスチック・クライシス」特集。プラスチックごみは海に流出し、魚や海鳥を傷つけ、最後に人類自身と経済を蝕む。「冤罪説」を唱えるプラ業界、先進諸国のごみを拒否する東南アジア......。今すぐ私たちがすべきこととは。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、今後5年間で財政政策を強化=新華社

ワールド

インド・カシミール地方の警察署で爆発、9人死亡・2

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 2
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 3
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...その正体は身近な「あの生き物」
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 7
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 8
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 9
    「腫れ上がっている」「静脈が浮き...」 プーチンの…
  • 10
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中