最新記事

人種対立

写真撮影で「怪しいOKサイン」を出したテーマパークのスタッフが解雇

'Despicable Me' Actor Fired for Making 'OK' Symbol While Posing With 6-Year-Old Girl at Universal Orlando Resort

2019年10月3日(木)16時40分
カレダ・ラーマン

善意のOKサインは過去のものになる?(子供たちとシュノーケリングをする英ウィリアム王子、2014年) Justin Tallis-REUTERS

<白人至上主義者たちのシンボルとして使われ出してから、OKサインに対する逆風がエスカレートしている>

フロリダ州にあるテーマパーク、ユニバーサル・オーランド・リゾートのスタッフが、少女(当時6歳)と写真を撮るとき「OK」サインをして解雇された。

USAトゥデー紙によれば、「事件」は、ティフィニーとリチャードのジンガー夫妻が今年3月、同テーマパーク内のリゾートホテルで行われたキャラクター・ブレックファスト(人気キャラクターに会える朝食)に子どもと参加した時に起こった。

問題に気付いたのは母親のティファニーだ。8月になって、この時に子どもたちが人気キャラクターと一緒に撮ってもらった写真を見返しているとき、人気キャラクターの着ぐるみを着たスタッフが、「OK」サインをしていたのだ。

以前なら何でもなかったことだが、世界に通じるOKサインは近年、白人至上主義のシンボルに使われるようになり、元の意味より人種差別の意味に解釈されることも増えている要注意サインになっているのだ。

<参考記事>「OK」のサインは白人至上主義のシンボルになったので、一般の方はご注意下さい

家族を思う気持ちを「台無しにされた」

黒人のティフィニーはこれをヘイト(憎悪)のサインと捉え、自閉症の娘(現在7歳)に、どうしてこの写真は学校の自由工作で使えないかを説明しなければならなかった。

問題のOKサイン


ティフィニーはUSAトゥデー紙に語った。「家族のための特別な旅行だったのに、このスタッフが台無しにした」

ティフィニーはこの一件に「とても動揺した」と語っており、この経験が娘の発達に悪影響を与えるのではないかと懸念している。

<参考記事>銃乱射を同性愛のせいにするアメリカの懲りない白人至上主義者

彼女は写真の中にOKサインを見つけた後、スマートフォンで撮影した動画も確認した。すると29秒間の動画の中に、件のスタッフが娘に手招きして自分の隣に立たせ、娘の肩の上に置いた右手でOKサインをつくる様子が映っていた。USAトゥデーの動画を見ると、確かに様子がおかしいようにも見える。

夫のリチャード(白人)も同紙に対して、こう語っている。「あれは単にOKを意味するサインではない。多くの人が、あのサインの意味を理解していない」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRBが3会合連続で0.25%利下げ、反対3票 緩

ビジネス

〔情報BOX〕パウエル米FRB議長の会見要旨

ビジネス

FRBに十分な利下げ余地、追加措置必要の可能性も=

ビジネス

米雇用コスト、第3四半期は前期比0.8%上昇 予想
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎の物体」の姿にSNS震撼...驚くべき「正体」とは?
  • 4
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 5
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 8
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 9
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 10
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中