最新記事

航空機事故

ボーイング、737MAX過失を初めて認める CEOが議会証言で謝罪

2019年10月30日(水)12時00分

米ボーイングのミューレンバーグCEO(手前中央)は29日、「737MAX」の墜落事故を巡る上院商業科学運輸委員会の公聴会で証言し、同社が「過ちを犯した」との認識を示した。写真はCEOの後方で事故犠牲者の写真を掲げる遺族たち(2019年 ロイター/SARAH SILBIGER)

米航空機大手ボーイングのミューレンバーグ最高経営責任者(CEO)は29日、「737MAX」の墜落事故を巡る上院商業科学運輸委員会の公聴会で証言し、同社が「過ちを犯した」との認識を示し、事故から多くを学び改善に努めていると語った。

ボーイング幹部による証言は2件の墜落事故後初めて。また、ボーイングに過失があったことを幅広く認めるのも今回が初めてとなる。

ミューレンバーグCEOは、計346人が死亡した2件の墜落事故につながったとされる機体の失速を防ぐためのシステム「MCAS」について、パイロットに十分な情報を提供していなかったことや、システムに懸念を示す社内通信の存在が明らかになったにもかかわらず、米連邦航空局(FAA)に数カ月間報告を怠っていたことを認めた。失速防止システムのソフトウエア改修や安全管理や透明性の向上に向けた社内および取締役会の変更についても説明した。

ボーイングのテストパイロットが2016年時点でMCASの問題を認識していた可能性が社内のやり取りから今月明らかになり、ボーイングがFAAを欺いていた可能性が指摘されている。[nL3N2734F3]

ミューレンバーグCEOはFAAに対する報告の遅れを謝罪。「今後全面的に協力していく」とし、追加文書を今後提出する可能性があると述べた。

さらに、旧型機に搭載されていた安全装置を737MAX機ではオプション機能としていたことをFAAに1年強報告していなかったことについても「過失だった」とし、MCASの追加情報をパイロットに提供する必要があったと認識していると語った。

墜落事故と同様のシナリオに基づくMCASの試験を実施しなかったのは誤りだったかという議員の質問に対し、公聴会に同席したボーイング商用機部門のチーフエンジニア、ジョン・ハミルトン氏は「結果論で言えば、誤りだった」と回答。しかし、ミューレンバーグ、ハミルトン両氏ともに、同システムの認可取得にエンジニアやパイロットが広範な試験を実施したとも強調した。

ミューレンバーグCEOは1件目のライオンエアの墜落事故後になぜ737MAXを運航停止にしなかったのかとの質問には、「過去に戻れるなら、違った決断を下すだろう」と語った。

証言に先立ち、ミューレンバーグCEOは辞任するのかとの質問に「私が焦点を置いている問題ではない」と回答。737MAX機の運航再開後、辞任について自身や取締役会が検討するかとの質問にも応じなかった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=急反落、ダウ768ドル安 FRBは金

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、FOMC据え置き受け下落分

ビジネス

パウエル氏、後任承認までFRB議長代行へ 捜査が解

ビジネス

イスラエル、イラン情報相を排除 国防相「高官標的に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 3
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 4
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 5
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 8
    観客が撮影...ティモシー・シャラメが「アカデミー賞…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 3
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中