最新記事

2020米大統領選

民主党討論会で批判合戦、名言、珍言......そして勝者は?

2019年9月17日(火)19時15分
ニコール・ストーン・グッドカインド

支持率上位のバイデン(中央)、ウォーレン(右)、サンダース(左)の優位がさらに際立つ結果に HEIDI GUTMAN-WALT DISNEY TELEVISION/GETTY IMAGES

<バイデン、サンダース、ウォーレンが目立った民主党テレビ討論会で各候補者が訴えたのは>

来年の米大統領選に向けて、9月12日、民主党の第3回テレビ討論会が行われた。もっとも、討論会で候補者指名レースの情勢が大きく動くことは少ない。

今回も、ジョー・バイデン前副大統領(写真中央)、エリザベス・ウォーレン上院議員(同右)、バーニー・サンダース上院議員(同左)の優位がさらに際立つ結果になった。

今回、前例のない行動に出たのは、起業家のアンドリュー・ヤン。自腹で10世帯に1年間にわたり毎月1000ドルを配る計画を発表し、対象世帯を選ぶためのコンテストを行いたいとぶち上げたのだ。ベーシック・インカム(最低所得保障)制度導入という公約への注目を高めることが狙いだ。

この発言の直前には、エイミー・クロブチャー上院議員がトランプ大統領のバラエティー番組流の政治を手厳しく批判したばかりだったのだが......。

76歳のバイデンは今回もウォーレンの名前を度忘れしたり、サンダースを「大統領」と呼ぶ一幕があったが、おおむね舌鋒鋭く意気軒高に見えた。

サンダースは医療保険問題でバイデンを攻撃。一方、ウォーレンはバイデンを批判するより自分の政策を訴えることに徹し、好印象を与えた。

ベト・オローク前下院議員は、地元テキサス州で起きた銃乱射事件を受けて選挙運動を一時休止し、銃規制強化を訴えた。この行動はライバルの一部からも称賛された。サウスベンド市長のピート・ブーティジェッジは、罵り合いばかりの討論会は「見るに堪えない」と批判した。しかし、この発言自体が他人の発言を遮ってのものだった。

オバマ前大統領への評価を口にした候補者も多かった。カマラ・ハリス上院議員は、銃規制に煮え切らないバイデンにこう詰め寄った。「イエス・ウィー・キャンって言わない?」

<本誌2019年9月24日号掲載>

【関連記事】民主党予備選で着実に支持を上げるエリザベス・ウォーレン
【関連記事】米大統領選、バイデン出馬で身構えるトランプ

190924cover-thum.jpg※9月24日号(9月18日発売)は、「日本と韓国:悪いのはどちらか」特集。終わりなき争いを続ける日本と韓国――。コロンビア大学のキャロル・グラック教授(歴史学)が過去を政治の道具にする「記憶の政治」の愚を論じ、日本で生まれ育った元「朝鮮」籍の映画監督、ヤン ヨンヒは「私にとって韓国は長年『最も遠い国』だった」と題するルポを寄稿。泥沼の関係に陥った本当の原因とその「出口」を考える特集です。


ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、牛肉輸入にセーフガード設定 国内産業保護狙い

ワールド

米欧ウクライナ、戦争終結に向けた対応協議 ゼレンス

ワールド

プーチン氏、ウクライナでの「勝利信じる」 新年演説

ビジネス

米新規失業保険申請件数、1.6万件減の19.9万件
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 5
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 8
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中