最新記事

米司法

未成年の売春斡旋容疑の米富豪、拘置所内で自殺 司法長官は施設の「重大な不備」批判

2019年8月13日(火)17時55分

8月12日 バー米司法長官は、未成年女性の売春をあっせんした罪などで起訴された富豪ジェフリー・エプスタイン被告が拘置所で自殺した問題について、被告が拘置されていた連邦刑務局が運営する施設で「重大な不備」があったと批判した。ニューヨークで10日撮影(2019年 ロイター/Jeenah Moon)

バー米司法長官は12日、未成年女性の売春をあっせんした罪などで起訴された富豪ジェフリー・エプスタイン被告が拘置所で自殺した問題について、被告が拘置されていた連邦刑務局が運営する施設で「重大な不備」があったと批判した。

エプスタイン被告は10日、ニューヨーク・マンハッタンの施設内で遺体で発見された。首をつって自殺を図ったとみられている。被告は先月に自殺を試みたことから、自殺の監視リストに載せられていたが、その後監視対象から外れていた。死亡を巡り、米連邦捜査局(FBI)や司法省の監察長官が調査に乗り出した。

バー長官は、エプスタイン被告が自殺した施設が「同被告を十分に警備しなかったことに私も司法省全体もがく然とし、怒りを感じている」と語った。その上で「同施設で重大な不備があったことが明らかとなった。非常に懸念され、徹底的な調査が必要だ」と述べた。「不備」の詳細については明確にしなかった。

長官は、エプスタイン被告の死によって、被害者は法廷で被告と闘う機会を奪われたと指摘。被告と共犯の疑いがある人物に対する捜査は継続すると述べた。「いかなる共犯者にも安眠はない」と言明した。

被告は7月6日に逮捕され、14歳の少女を含む未成年女性の売春をあっせんしたとして起訴された。被告は無罪を主張していたが、先月にニューヨーク南地区の地裁が保釈請求を却下。報道によると、その数日後に監房で意識のない状態で見つかり、当局は自殺と暴行の両面で捜査していた。

こうした経緯にもかかわらず、エプスタイン被告が自殺の監視リストから外された理由は不明だ。被告は遺体で発見された際、1人で監房にいた。同被告の拘置施設である「メトロポリタン矯正センター」は司法省の管轄下にある。

同施設では2人の看守が別々に30分おきに見回りをすることが義務付けられているが、関係者によると、被告が死亡した夜は行われなかった。自殺の監視対象となっている場合はこれとは別に15分おきの見回りもすることになっている。

ニューヨーク市監察医は11日、検死は終了したものの、死因はまだ断定されていないとした。

米ABCニュースは12日、エプスタイン被告の邸宅がある米領バージン諸島のリトル・セント・ジェームズ島でFBIや米税関・国境取締局(CBP)の姿を確認したと報じた。FBI報道官は「FBI捜査官が米領バージン諸島で任務に当たっている」と述べたが、それ以上のコメントは控えた。

エプスタイン被告の自殺は長期化している民事裁判にも影響する。同被告は2008年に10代の女性に対する性犯罪について有罪を認め、フロリダ州の検察との司法取引を経て実刑判決を受けた。それ以前はトランプ大統領やクリントン元大統領などの著名人と交友関係があった。

[ニューヨーク 12日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 トランプのイラン攻撃
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月10号(3月3日発売)は「トランプのイラン攻撃」特集。核・ミサイル開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。アメリカとイランの全面戦争は始まるのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ミランFRB理事、年内利下げ継続を主張 「イラン攻

ビジネス

金利据え置きを支持、インフレ見通しはなお強め=米ク

ワールド

イラン作戦必要な限り継続、トランプ氏暗殺計画首謀者

ワールド

米財務長官、エネ関連で「一連の発表」 原油供給の不
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 5
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 8
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 9
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中