最新記事

フィリピン

宝くじの全売り場を閉鎖 ドゥテルテが「汚職まみれ」と断言し命令

2019年8月8日(木)18時45分
ジェームズ・パターソン

ドゥテルテの次のターゲットは宝くじ ELOISA LOPEZ-REUTERS

<麻薬の次は宝くじ抹殺へ。貧困対策の財源にもなっていたが...>

国際社会の批判を浴びながらも強硬な麻薬撲滅政策を推し進めてきたフィリピンのドゥテルテ大統領が、今度は宝くじを抹殺するようだ。ドゥテルテは7月26日、フィリピン慈善宝くじ協会(PCSO)が運営する宝くじが「汚職まみれ」だと断言。国内全ての売り場の閉鎖を命じ実際に28日までに閉鎖された。

国民に人気の宝くじの即時停止で、多くの影響が懸念されている。まずは、全国2万3000カ所以上の販売店とその従業員の行く末。さらに、違法ギャンブルが盛んになる恐れもある。

宝くじが貧困対策の財源に使われていたことから、貧困層の医療・生活支援に悪影響が出るともみられている。ドゥテルテはPCSOに、腐敗の実態を調査しながらも、貧困層への資金援助は続けるよう伝えた。

大統領府のサルバドール・パネロ報道官は、「大統領はギャンブルがわが国にとって有害だと考えている」と話す。ドゥテルテは地方官僚や司法関係者が宝くじ汚職に関わっており、中央政府は利益を詐取されていると主張しているという。

<2019年8月13&20日号掲載>

【参考記事】フィリピン大統領「私も同性愛者だったが『治した』」
【参考記事】ロトで高額当選したシングルマザーが唯一欲しいと願っていたもの

2019081320issue_cover200.jpg
※8月13&20日号(8月6日発売)は、「パックンのお笑い国際情勢入門」特集。お笑い芸人の政治的発言が問題視される日本。なぜダメなのか、不健全じゃないのか。ハーバード大卒のお笑い芸人、パックンがお笑い文化をマジメに研究! 日本人が知らなかった政治の見方をお届けします。目からウロコ、鼻からミルクの「危険人物図鑑」や、在日外国人4人による「世界のお笑い研究」座談会も。どうぞお楽しみください。


20230613issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2023年6月13日号(6月6日発売)は「最新予測 米大統領選」特集。トランプ、デサンティス、ペンス……名乗りを上げる共和党候補。超高齢の現職バイデンは2024年に勝てるのか?

ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=反落、来週のFOMC見極め アップル

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、米サービス部門の軟調な指標

ワールド

米国務次官補が北京訪問、「率直で生産的な会談」=国

ワールド

原油先物上昇、サウジの独自減産表明受け

MAGAZINE

特集:最新予測 米大統領選

2023年6月13日号(6/ 6発売)

トランプ、デサンティス、ペンス......名乗りを上げる共和党候補。超高齢の現職バイデンは2024年に勝てるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。

人気ランキング

  • 1

    敗訴ヘンリー王子、巨額「裁判費用」の悪夢...最大2000万ドルも 「Netflixで稼いだ金を全部つぎ込むようなもの」

  • 2

    キャサリン妃が「ピンクのドレス」2着に込めた、「友人夫婦」とヨルダンへの敬意

  • 3

    メーガン妃が「絶対に誰にも見られたくなかった写真」、不仲が続く父家族が公開した1枚

  • 4

    嵐で破壊された米クルーズ船の乗客が撮影...浸水する…

  • 5

    【ヨルダン王室】世界がうっとり、ラジワ皇太子妃の…

  • 6

    どんぶりを余裕で覆う14本足の巨大甲殻類、台北のラ…

  • 7

    広島G7サミットで日本が失ったものは何か

  • 8

    「白米はよくない」? 健康と環境の両面で知ったこと…

  • 9

    ロシアの「竜の歯」、ウクライナ「反転攻勢」を阻止…

  • 10

    米軍、日本企業にTNT火薬の調達を打診 ウクライナ向…

  • 1

    ロシアの「竜の歯」、ウクライナ「反転攻勢」を阻止できず...チャレンジャー2戦車があっさり突破する映像を公開

  • 2

    「日本ネット企業の雄」だった楽天は、なぜここまで追い込まれた? 迫る「決断の日」

  • 3

    【画像・閲覧注意】ワニ40匹に襲われた男、噛みちぎられて死亡...血まみれの現場

  • 4

    米軍、日本企業にTNT火薬の調達を打診 ウクライナ向…

  • 5

    62歳の医師が「ラーメンのスープを最後まで飲み干す」…

  • 6

    「ダライ・ラマは小児性愛者」 中国が流した「偽情報…

  • 7

    【ヨルダン王室】世界がうっとり、ラジワ皇太子妃の…

  • 8

    敗訴ヘンリー王子、巨額「裁判費用」の悪夢...最大20…

  • 9

    どんぶりを余裕で覆う14本足の巨大甲殻類、台北のラ…

  • 10

    ウクライナ側からの越境攻撃を撃退「装甲車4台破壊、戦…

  • 1

    【画像・閲覧注意】ワニ40匹に襲われた男、噛みちぎられて死亡...血まみれの現場

  • 2

    世界がくぎづけとなった、アン王女の麗人ぶり

  • 3

    カミラ妃の王冠から特大ダイヤが外されたことに、「触れてほしくない」理由とは?

  • 4

    F-16がロシアをビビらせる2つの理由──元英空軍司令官

  • 5

    「ぼったくり」「家族を連れていけない」わずか1年半…

  • 6

    築130年の住宅に引っ越したTikToker夫婦、3つの「隠…

  • 7

    歩きやすさ重視? カンヌ映画祭出席の米人気女優、…

  • 8

    「飼い主が許せない」「撮影せずに助けるべき...」巨…

  • 9

    日本発の「外来種」に世界が頭を抱えている

  • 10

    チャールズ国王戴冠式「招待客リスト」に掲載された…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中