最新記事

中国空母

中国初の大型空母、上海郊外で建造進む 衛星画像でその姿が判明

2019年5月8日(水)18時10分

5月7日、中国にとって初の本格的な大型空母の建造が、上海郊外の造船所で進められているもようだ。写真は4月17日の衛星写真(2019年 ロイター/CSIS/ChinaPower/Maxar Technologies 2019)

中国にとって初の本格的な大型空母の建造が、上海郊外の造船所で進められているもようだ。ワシントンのシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)が持つ衛星画像の分析で明らかになった。

中国は現在2隻の空母を保有しており、CSISの分析ではこれは同国が「002型」と呼ぶ3隻目とみられる。曖昧な部分があった昨年末撮影の画像に比べて、今回の画像で作業の様子が明確になったという。

米国防総省は先週、3隻目の空母の建造が始まったと発表していたが、画像で建造の様子が確認されたのは初めて。

中国政府はまだ正式に3隻目の建造を認めておらず、計画のスケジュールや規模はなお国家機密扱いだ。ただ国営メディアは最近、3隻目空母の建造に遠回しに触れている。

CSISの画像からは、建造中の艦艇の船体は10万トンクラスの米空母には劣るものの、フランス海軍の原子力空母シャルル・ドゴール(4万2500トン)よりも大きいことがうかがえる、と専門家は話す。中国の従来の2隻の空母はいずれも搭載機が最大25機にとどまり、米空母の半分以下にとどまる。

この大型空母が核動力かどうかは不明だ。中国は10隻の原潜を持つ一方、核動力の水上艦艇はまだ存在しない。

また米国防総省が3日発表した中国の軍事力に関する年次報告では、3隻目の空母が艦載機の射出速度を増すカタパルトを初めて装備するとの見通しを示されたが、最新の電磁式になるのか従来の蒸気式になるかは分かっていない。現在の2隻の空母は、カタパルトではなくスキージャンプ式の飛行甲板によって艦載機を射出するため、運用できる機種の武装や航続距離に制約がある。

[香港/北京 7日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 ジョン・レノン暗殺の真実
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月16日号(12月9日発売)は「ジョン・レノン暗殺の真実」特集。衝撃の事件から45年、暗殺犯が日本人ジャーナリストに語った「真相」 文・青木冨貴子

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国で「南京大虐殺」の追悼式典、習主席は出席せず

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット

ビジネス

アングル:トランプ関税が生んだ新潮流、中国企業がベ

ワールド

アングル:米国などからトップ研究者誘致へ、カナダが
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中