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米欧、そしてロシアも「共通の脅威」中国に立ち向かうべき

Ignoring China at Their Own Peril

2019年4月1日(月)14時00分
アリエル・コーエン(米アトランティック・カウンシル上級研究員)

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オマーン産原油を積んで中国・浙江省の舟山港に到着したタンカー TPG/GETTY IMAGES

ミュンヘン安全保障会議で、ヨーロッパはアメリカ側に付くか反米に回るかを決めなければならないことが明白になった。欧米は中国の挑戦に敢然と立ち向かい、協力のレベルを一段階上げる必要がある。

ロシアには、欧米の陣営に加わるか、1国だけで中国と対峙するかの選択肢を与えなければならない。人口で9倍、GDPで10倍、しかも4000キロ以上の国境を接する相手に単独で立ち向かうのは、ロシアにとって悪夢のシナリオだろう。プーチンはアメリカへの嫌悪感が強過ぎて正常な判断力を失い、資源に飢えた隣人に自国を差し出そうとしているように見える。

大西洋の両岸の国々が脅威の評価、戦略的連携、政治的・軍事的関与で足並みをそろえなければ、21世紀後半には中国が世界の覇権を握ることになる。欧米の当局者は知らなかったでは済まされない。

<2019年4月2日号掲載>

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※4月2日号(3月26日発売)は「英国の悪夢」特集。EU離脱延期でも希望は見えず......。ハードブレグジット(合意なき離脱)がもたらす経済的損失は予測をはるかに超える。果たしてその規模は? そしてイギリス大迷走の本当の戦犯とは?

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