最新記事

中国経済

一帯一路「5G+4K」フォーラムと中国の「5G+8K」分野別年度別市場規模

2019年4月24日(水)15時00分
遠藤誉(筑波大学名誉教授、理学博士)

66兆円という、この途方もない経費を前にして、日本のビジネスマンならきっと「それなら日本はどれくらい中国市場に踏み込んでいけるだろうか」「中国は日本の関連企業の製品を、どれくらい必要としているだろうか」あるいは「そのニーズはないのか」それとも「分野によってはあるのか......」などと、さまざまなビジネスチャンスを思い描くにちがいない。

そこで、先ずは、工信部のシンクタンクである中国電子信息(=情報)産業発展研究院(China Center for Information Industry Development=CCID)が2018年9月に発表した「2018年中国スーパーハイビジョン映像産業進展と投資価値に関する白書」(以下、白書)を考察してみよう。

CCIDは1995年に当時の中央行政省庁の一つである信息(=情報)産業部によって設立されたシンクタンクだが、2008年の中央行政省庁の改変によって現在の工信部直属のシンクタンクとなった。持ち株の関係上、俗称的に賽迪グループと呼ばれることもある(経緯は複雑なので省略)。

白書では、2022年の「5G+4K・8K」産業、特に「5G+8K」産業に重きを置いた分野別の生産高と年平均成長率を以下のように予測している。

1.テレビやハイビジョンスクリーンなどのハードウェアの生産高は15681.7億元(約25.87兆円)で、年平均成長率(CAGR、Compound Annual Growth Rate)は20%。

2.ネット・インフラやビデオ制作などに関する生産高は10386.2億元(約17.14兆円)で、年平均成長率は80%。

3.アプリケーションやサービスなどに関する生産高は7546.2億元(約12.45兆円)で年平均成長率は90%。

中国の「5G+8K」の年度別市場規模と成長率

白書では、これらを総合した、「2017年から2022年までのスーパーハイビジョン映像産業の年度別生産高と年平均成長率」を以下のようなグラフで示している。このグラフは白書にある中国語表記を日本語に翻訳して筆者が描き直したものである。

endo20190424130202.jpg
【2017年-2022年スーパーハイビジョン映像産業の年度別生産高と年平均成長率】

横軸にある「E」という文字は、「予測値」を表すために"Expect"の「E」を表している。2018年9月に発表された白書なので、2018年も年末までを考慮に入れて、白書執筆時点では「予測値」に過ぎないので、「E」の文字があるのだろう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

12月利下げは不要、今週の利下げも不要だった=米ダ

ビジネス

利下げでFRB信認揺らぐ恐れ、インフレリスク残存=

ワールド

イスラエル軍がガザで攻撃継続、3人死亡 停戦の脆弱

ビジネス

アマゾン株12%高、クラウド部門好調 AI競争で存
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 7
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 8
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 9
    【ロシア】本当に「時代遅れの兵器」か?「冷戦の亡…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中