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身の回りの化学物質が子供の健康を脅かす

Bad Chemistry

2019年3月5日(火)17時20分
レオナルド・トラサンデ(ニューヨーク大学医学大学院教授)

毎日の換気を忘れずに

缶詰食品と缶飲料を摂取するのをやめれば、尿中のBPAのレベルが90%以上減る。テトラパックなどの紙容器入りの食品は、缶詰より安全性が高い。

可燃性素材を燃えにくくする難燃剤として用いられる化学物質にも気掛かりな点が多いが、対策はある。例えば、ウールなどの天然繊維の製品を使えばいい。天然繊維は、難燃剤を用いなくても比較的燃えにくい。

毎日数分でも窓を開けて空気を入れ換えたり、高性能のHEPAフィルター付き掃除機でこまめに掃除したりすれば、室内の化学物質を取り除ける。家具や家電製品、カーペットは水拭きするといい。そして、子供がこれらの化学物質を用いた製品に触れたり、口に入れたりしないように気を付けよう。

ヨウ素を摂取することも効果的だ。ヨウ素は甲状腺を機能させる上で非常に大きな役割を果たす。ヨウ素を摂取するには、海藻を食べるのが最善だ。魚介類や乳製品、クランベリーなどもいいだろう。

(記事は新著『より不健康に肥満に貧しく』からの抜粋)

(c) 2019 Reproduced by permission of Houghton Mifflin Harcourt. All rights reserved

<本誌2019年03月05日号掲載>

※3月5日号(2月26日発売)は「徹底解剖 アマゾン・エフェクト」特集。アマゾン・エフェクト(アマゾン効果)とは、アマゾンが引き起こす市場の混乱と変革のこと。今も広がり続けるその脅威を撤退解剖する。ベゾス経営とは何か。次の「犠牲者」はどこか。この怪物企業の規制は現実的なのか。「サバイバー」企業はどんな戦略を取っているのか。最強企業を分析し、最強企業に学ぶ。

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