最新記事

人権問題

ゴーン日産前会長の妻、国際人権団体に書簡 「脅しや罵りなど過酷な扱い」訴え

2019年1月14日(月)17時18分

1月13日、日産自動車のカルロス・ゴーン前会長(写真)の妻キャロル氏が国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」に、ゴーン前会長が勾留中に受けている「過酷な扱い」や日本の司法制度による不公平な処遇に目を向けるよう求めたことが、ロイターが確認した書簡で明らかに。昨年2月撮影(2019年 ロイター/Gonzalo Fuentes)

日産自動車のカルロス・ゴーン前会長の妻キャロル氏が国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」に、ゴーン前会長が勾留中に受けている「過酷な扱い」や日本の司法制度による不公平な処遇に目を向けるよう求めたことが、ロイターが確認した書簡で明らかになった。

キャロル氏はヒューマン・ライツ・ウオッチの日本代表に9ページの書簡を送った。

外務省報道官は電子メールで、ゴーン前会長の処遇は適切な手続きに沿っており、日本の国内法に従って個人の基本的な人権を保証するとともに司法上の厳格な審査の下に行われていると表明した。

日産は、司法制度の仕組みや東京地検の決定についてコメントする立場にないとした。

書簡についてヒューマン・ライツ・ウオッチのコメントは得られていないが、同団体のアジアディレクター、ブラッド・アダムズ氏は10日付の論説で、ゴーン前会長の件によって長年見過ごされてきた日本の「人質」司法制度に目が向けられることになったと指摘した。

キャロル氏は書簡で、日本では時に何カ月にもわたって容疑者を勾留し、自白を引き出そうとするとし、ゴーン前会長は弁護士の立ち会いがない状態で1日に何時間も取り調べを受け、脅しや罵りを受けていると主張。「夫のような扱いは誰も受けるべきではない。日本のような先進国ではなおさらだ」と訴えた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

加州高速鉄道計画、補助金なしで続行へ 政権への訴訟

ワールド

コソボ議会選、与党勝利 クルティ首相「迅速な新政権

ワールド

訂正中国軍、台湾周辺で「正義の使命」演習開始 30

ビジネス

中国、無人航空機を正式規制 改正法来年7月施行
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    アメリカで肥満は減ったのに、なぜ糖尿病は増えてい…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中