最新記事

アメリカ大統領

叩き上げなんてウソ、トランプは親の遺産を食いつぶすダメ息子だった

Trump Was a ‘Failure’ and ‘Daddy’s Little Welfare Case’

2018年12月26日(水)18時30分
ジェーソン・レモン

トランプは運用も事業も下手でいつも父親に助けられていた?(2007年、息子のバロンと) Chris Pizzello-REUTERS

<自力で富を稼いだというのは嘘? 2018年を振り返るテレビ討論会で、トランプの真の姿が暴かれた>

ニュース専門放送局MSNBCは12月24日、2018年の思い出に残るニュースについてのパネル討論会を放送。そのなかで、ドナルド・トランプ大統領の財産の大半が父親の遺産と脱税で築かれたものだと暴露した10月のニューヨーク・タイムズ(NYT)の記事が話題になり、盛り上がった。

トランプは常々、自分は叩き上げの億万長者だと言っている。だがNYTによると、トランプは3歳のころから現在にいたるまで、親から総額4億1300万ドル相当をもらってきた。トランプと4人の兄弟は、親の脱税を手伝ったこともあるという。

パネリストの一人であるMSNBCのジョイ・リード記者は、トランプは莫大な遺産を相続したけど運用がひどく下手だった、と言った。「4億1300万ドルを相続した誰かさんが、9億ドルも損を出したんだから」

「そこだよ」と、司会者のクリス・ハインズは言った。「そこが詐欺だ。トランプの成功神話のウソは暴かれた。トランプは父親に助けてもらったんだ」

「トランプは連続破産魔で、父親がいつもその尻ぬぐいをしていたことも明らかになった」

詐欺を世界に

フォーダム大学のクリスチアナ・グリーア教授は、トランプの故郷であるニューヨークの人々は、大統領が「ペテン師で、嘘つきで、ずるい」ことをずっと前から知っていたと主張した。

「今では、トランプが違法な事業を受け継いだこともわかっている」と、プリンストン大学のエディ・グラード教授がつけ加えた。

トランプ自身は、親からもらったのは、自分の不動産ベンチャーを始めるときに受けた100万ドルの融資だけと説明している。NYTの記事は、実際はケタ違いの資産を受け継いだことを明らかにし、またトランプ兄弟は相続資産を過少申告して脱税した、とも主張している。

当時、トランプの弁護士チャールズ・J・ハーダーは、この記事を全面的に否定した。

「ニューヨーク・タイムズによる詐欺と脱税の報道は100%誤りだし、ひどい中傷だ」と、ハーダーは声明で述べた。「誰も詐欺や脱税など行っていない。主張の根拠も極めて不正確だ」

24日の討論会で、アメリカ国民は今まさに国内および国際レベルでトランプ家の「詐欺」を目撃しているとグリーアは論じた。「はったりをかまし、こけおどしの大言壮語を並べる──トランプは「これを世界に対して行っている」

(翻訳:栗原紀子)

ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は6日続伸、日銀決定会合後の円安を好感

ワールド

韓国最高裁、李在明氏の無罪判決破棄 大統領選出馬資

ワールド

イスラエルがシリア攻撃、少数派保護理由に 首都近郊

ワールド

学生が米テキサス大学と州知事を提訴、ガザ抗議デモ巡
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    フラワームーン、みずがめ座η流星群、数々の惑星...2…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中