最新記事

朝鮮半島

「同胞」北朝鮮に無知な韓国の子供たち 統一教育見直しへ

2018年12月1日(土)21時00分

 11月22日、いまだ戦争状態にある韓国と北朝鮮だが、この1年の融和ムードにより、関係強化の見通しが立ち始めた。だが、韓国の一般的な学校では、はっきりそうとは言えないかもしれない。写真は統一旗に描かれた朝鮮半島をペイントする少女。ソウルで4月撮影(2018年 ロイター/Kim Hong-Ji)

いまだ戦争状態にある韓国と北朝鮮が、何らかの形で統一を見るのはまだかなり先の話だとしても、この1年の融和ムードにより、関係強化の見通しが立ち始めた。

だが、韓国の一般的な学校では、はっきりそうとは言えないかもしれない。

「何も知らない。年に2度、学校で統一や国家の安全保障、北朝鮮人の生活について学ぶが、大体いつも聞き流している」と、17歳のノ・ハナさんは言う。

今年進展した南北間の緊張緩和は、北の隣人に関する韓国人の無知を露呈させたと多くの専門家は指摘する。韓国政府は、国民が北朝鮮と統一について学ぶ方法を改善しようと努めている。

現在の教育方法では、若い韓国人に北朝鮮やその国民、同国の指導者である金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長について微妙なニュアンスを理解する大切さを教えることはできないと、韓国統一教育院を率いるBaek Jun-kee氏は指摘する。

「中学校や高校で、この問題に合理的にアプローチし、この問題が(生徒の)私生活にどう影響するのかを示すことができなければ、生徒たちの関心を引きつけておくことは難しいだろう」

南北間における文化交流や政府間の交流が増える中、北朝鮮専門家はますます重要になっているが、こうした教育上の欠点が一因で、官民双方の研究機関でこうした専門家が不足していると、専門家は口をそろえる。

「地方政府はどこも南北交流計画を打ち出しているが、専門家はおらず、知識もネットワークもない」と、韓国統一研究院(KINU)のホン・ミン研究員は指摘。「韓国大企業トップの一行が9月に平壌で開かれた南北首脳会議に同行したが、彼らのほとんどは社内に北朝鮮専門家を置いていなかった」

韓国の趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相は今月、国会の公聴会で教育プログラムの財源削減を巡り批判を受け、統一に関する新たなカリキュラム作成は「喫緊の課題」だと語った。

MAGAZINE

特集:遺伝子最前線

2019-1・22号(1/16発売)

革命的技術クリスパーで「超人」の誕生も可能に── 人類の未来を変えるゲノム編集・解析の最新事情

人気ランキング

  • 1

    北方領土が「第二次大戦でロシア領になった」というロシアの主張は大間違い

  • 2

    米政府閉鎖で一カ月近く無給の連邦職員、食料配給に殺到

  • 3

    「お得意様」は気づいたら「商売敵」に 中国の猛追へ対策急ぐドイツ

  • 4

    人の頭を持つ男、指がなく血の付いた手、三輪車に乗…

  • 5

    タイ洞窟からの救出時、少年たちは薬で眠らされ、両…

  • 6

    インドネシア当局、K-POPアイドルBLACKPINKのCM放映…

  • 7

    人工衛星で「夜空に広告」──ロシア新興企業のプラン…

  • 8

    【動画】中国の会社従業員「四つ這い」懲罰に非難殺到

  • 9

    エイリアンはもう地球に来ているかもしれない──NASA…

  • 10

    体重600キロ、体長4.4mの巨大ワニが女性殺害 イン…

  • 1

    体重600キロ、体長4.4mの巨大ワニが女性殺害 インドネシア、違法飼育の容疑で日本人を捜索

  • 2

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、被害続発する事情とは

  • 3

    タイ洞窟からの救出時、少年たちは薬で眠らされ、両手は縛られていた

  • 4

    エイリアンはもう地球に来ているかもしれない──NASA…

  • 5

    北方領土が「第二次大戦でロシア領になった」という…

  • 6

    人の頭を持つ男、指がなく血の付いた手、三輪車に乗…

  • 7

    インドネシアの老呪術師が少女を15年間監禁 性的虐…

  • 8

    宇宙から謎の「反復する電波」、2度目の観測:地球外…

  • 9

    タイ洞窟の少年たちは見捨てられる寸前だった

  • 10

    NGT48山口真帆さん暴行事件に見る非常識な「日本の謝…

  • 1

    炎上はボヘミアン・ラプソディからダンボまで 韓国の果てしないアンチ旭日旗現象

  • 2

    口に入れたおしゃぶりをテープで固定された赤ちゃん

  • 3

    あの〈抗日〉映画「軍艦島」が思わぬ失速 韓国で非難された3つの理由

  • 4

    小説『ロリータ』のモデルとなった、実在した少女の…

  • 5

    日韓関係の悪化が懸念されるが、韓国の世論は冷静──…

  • 6

    オーストラリア人の94%が反捕鯨の理由

  • 7

    アレクサがまた奇行「里親を殺せ」

  • 8

    ジョンベネ殺害事件で、遂に真犯人が殺害を自供か?

  • 9

    日本がタイ版新幹線から手を引き始めた理由

  • 10

    インドネシア当局、K-POPアイドルBLACKPINKのCM放映…

資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
「ニューズウィーク日本版」編集記者を募集
デジタル/プリントメディア広告営業部員を募集
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月