最新記事

事件

トルコ警察、イスタンブール近郊で消息不明のサウジ記者の遺体捜索

2018年10月19日(金)08時46分

10月18日、サウジアラビア人反体制記者ジャマル・カショギ氏がイスタンブールのサウジ総領事館訪問後に消息を絶った問題で、トルコの警察当局がイスタンブール近郊の森などで遺体の捜索を行っていることが、2人のトルコ高官の話で明らかになった。写真は16日、イスタンブールのサウジ領事館を調べるトルコの捜査官(2018年 ロイター/Murad Sezer)

サウジアラビア人反体制記者ジャマル・カショギ氏がイスタンブールのサウジ総領事館訪問後に消息を絶った問題で、トルコの警察当局がイスタンブール近郊の森などで遺体の捜索を行っていることが、2人のトルコ高官の話で明らかになった。

高官らによると、トルコ捜査班はまた、サウジ総領事館と総領事公邸の家宅捜索で「多くのサンプル」を採取したという。今後、カショギ氏のDNAサンプルが含まれていないかどうか調べる。

トルコ側はカショギ氏が総領事館内で殺害されて遺体が館外に運ばれたとの見方を示すが、サウジ側は殺害疑惑を否定している。この問題を巡りサウジと米国及び欧州諸国との関係が悪化するとの懸念が強まっている。

前出の高官らによると、トルコの当局は、カショギ氏が失踪した今月2日にサウジ総領事館や総領事公邸を去った自動車がたどったルートの分析結果に基づき捜索範囲を拡大。殺害犯などは遺体をイスタンブール近郊の「ベオグラードの森」やイスタンブールの南90キロに位置する都市ヤロヴァに近い農村に捨てた可能性があるという。

捜査当局は18日、サウジ総領事館の2度目の家宅捜索を実施。高官らによると、総領事館と総領事公邸からは土や水を含むサンプルを採取したという。

トランプ米大統領は同日、カショギ氏について、すでに死亡しているとの見方を示した。米国はサウジに「非常に厳しい」対応を取る見通しだとした上で、実際に何が起きたかの真相を依然として探りたい意向を示した。



[アンカラ 18日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、グリーンランド特使にルイジアナ州知事を

ワールド

ロ、米のカリブ海での行動に懸念表明 ベネズエラ外相

ワールド

イラン、複数都市でミサイル演習 国営メディア報道

ワールド

ベネズエラ原油輸出減速か、米のタンカー拿捕受け
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 5
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 6
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中