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超タカ派のボルトン補佐官 トランプ政権のイラン強硬策旗振り役に

2018年10月15日(月)08時26分

トランプ大統領との関係

トランプ大統領とボルトン補佐官は、異なる対ロシア観を持っている。

トランプ氏はロシアのプーチン大統領について尊敬を込めた発言をしたことがあるのに対し、ボルトン補佐官がそのような発言をした例は皆無だ。それどころか、2016年の米大統領選に介入しておきながらうそをついたとして、プーチン大統領を批判している。

またボルトン補佐官は、広範な対ロ制裁の緩和に反対している。3月には、「米国は、ロシアに小突き回される事態を許さないと欧州同盟国に示すため」、ロシアの新型核兵器に対して戦略的対応をすべきだ、とツイートした。

同補佐官は、ロシアとの核新戦略兵器削減条約(新START)を延長したいと考えているマティス国防長官などの政府高官に立ち向かうこともいとわない。

とはいえボルトン氏は、トランプ大統領が公言するプーチン大統領との関係改善という目標に真正面から反対することを慎重に避けている。国務省や国防総省、情報機関など国家安全保障に関連する政府機関の関係者は、そう口をそろえた。

ボルトン補佐官は、7月ヘルシンキで行われた米ロ首脳会談に向けた地ならしのため、自らモスクワを訪れている。

「ことロシアに関しては、衝突を避けようとしているのは明らかだ」と米政府関係者は話す。「もし自分の好きなようにやれるなら、制裁や選挙介入の問題に対して、もっと厳しい立場を取っているだろう」

トランプ大統領自身も、最近行われたロイターとのインタビューで、ホワイトハウス入りしたボルトン氏が、これまでの強硬姿勢を一部改めた、と認めている。

「彼は素晴らしい人物で、きわめて勤勉だ」とトランプ大統領。「この20年間、彼がテレビで語ってきたように、あらゆる国と戦争をしよう、1度に5カ国相手にしよう、と今も考えているかと言うと、そうではない」

ボルトン補佐官は、大統領向けのブリーフィングをシンプルにまとめることで、トランプ氏との関係を強固なものにした。前任のヒューバート・レイモンド・マクマスター陸軍中将は、ブリーフィングがドライでプロフェッショナルなものだったため、トランプ大統領を苛立たせ、忍耐を失わせることが多かった、と複数の政府関係者は話す。

ボルトン氏は、スムーズな流れを重視する法科大学院仕込みのスタイルを採用している。「まず、大まかなアウトラインを説明。次に少し詳細な話をして、最後に1枚のカードに書き込めるような要点にまとめる」と、ボルトン氏はその秘訣を明かした。

ある政府高官によると、トランプ大統領はボルトン補佐官を、側近の中でも欠かせない存在だと考えているが、常にその意見を聞き入れる訳ではない。ボルトン氏は「人を説得することに長けており、大統領は必ず耳を傾けるが、必ずしも彼の言う通りにするわけではない」

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