最新記事

空の旅

放尿にレイプ!? エスカレートするフライト中の暴行事件

Man Urinates On Another Passenger During Flight

2018年8月21日(火)15時30分
ジェイカブ・ルワンドウスキ

機内は意外と危険な場所かもしれない ShantiHesse/iStcok.

<もはやマナー違反どころではない。飛行機に乗っていると地上ではありえないような暴挙に出てしまう不思議>

シカゴ・オヘア空港から成田国際空港に向かっていた全日空機の機内で8月17日、他の乗客に尿をかけたとして、男性が逮捕された。

逮捕されたのは、24歳のアメリカ人、デニシュ・キショルチャンドラ・プラーク。英字紙ジャパン・タイムズによると、プラークは機内での出来事を覚えていないと話している。

報道によると、プラークは少なくともシャンペン4杯と日本酒1杯を飲んだあとに、2列後ろの座席に座っていた50歳の日本人男性に向かって放尿した。

警察の発表によると、双方が口論になったわけではなく、日本人男性はプラークと面識がないという。この行為のあと、客室乗務員はプラークを拘束し、成田空港に着陸後、地元警察に引き渡した。

同様の事件はほかにも起きている。2018年1月、ラスベガス発デトロイト行きスピリット航空の機内で、近くの座席で眠っていた女性乗客の陰部に指を入れるというわいせつ行為に及んだ男性が、8月16日に有罪判決を受けた。35歳の被告プラブー・ラマムーシーには終身刑が下される可能性がある。

被害に遭った22歳の女性は、自分のズボンのファスナーが下ろされ、ラマムーシーの手があるのに気づいて目を覚ました。CNNによると、ラマムーシーはそのとき「熟睡中」で、女性に対して自分がそうした行為に及んでいたことを知らなかったと語ったという。

原因はやはりアルコール?

女性側弁護士のマシュー・シュナイダーは有罪判決を受けて声明を発表した。「誰もが安心安全に航空機で移動する権利を持っている。弱い立場にある被害者につけこむ行為を、私たちは許さない。陪審員がこの考え方に同意してくれたことを嬉しく思う。この事件で被害に遭った女性が勇気をもって声を上げてくれたことに感謝したい」

声明によれば、ラマムーシーは労働ビザでアメリカに滞在しているため、刑期を終えたら国外追放になる。

さらに別のケースもある。2018年5月、コロラド州デンバーからサウスカロライナ州チャールストンに向かっていたフロンティア航空の機内で、複数の女性に嫌がらせをしたあとに、前の座席に向かって放尿した男性が、着陸後に逮捕されている。容疑者のマイケル・アレン・ハーグは、強いアルコールを2杯飲んだあとで犯行に及んでいた。

USAトゥデイ紙によると、フロンティア航空は事件後に発表した声明で、「私たちはこの件を認識しており、関係当局と協力しています」と述べている。ハーグは、乗務員への妨害ならびに公然わいせつ罪の罪に問われており、最大で20年の実刑判決を言い渡される可能性がある。

(翻訳:ガリレオ)

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国自動車輸出、4月は過去最高 国内販売は減少に減

ワールド

UNRWA本部、イスラエル住民の放火で閉鎖 事務局

ワールド

Xは豪州の法律無視できず、刃物事件動画訴訟で規制当

ビジネス

ドイツ住宅建設業者、半数が受注不足 値下げの動きも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 2

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必要な「プライベートジェット三昧」に非難の嵐

  • 3

    「少なくとも10年の禁固刑は覚悟すべき」「大谷はカネを取り戻せない」――水原一平の罪状認否を前に米大学教授が厳しい予測

  • 4

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽…

  • 5

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 6

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 7

    上半身裸の女性バックダンサーと「がっつりキス」...…

  • 8

    ロシア軍兵舎の不条理大量殺人、士気低下の果ての狂気

  • 9

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 10

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中