最新記事

ロシア

ロシア、兵士や戦車を隠す「透明マント」を開発

Russia Military Tech Turns Troops, Tanks 'Invisib

2018年7月19日(木)18時29分
トム・オコーナー

戦場で兵士たちの姿を隠す技術の開発が進んでいる zabeline-iStock.

<ロシアがカメレオン並みのカモフラージュ技術を開発。「見えない戦争」の時代が近い?>

新兵器開発に力を入れるロシアの防衛大手が、カメレオンのように周囲の環境に合わせて色を変えられる軍事用コーティングの技術を新たに開発した。

ロシア国営ロステックのセルゲイ・チェメゾフCEOは7月17日、新素材でコーティングした「見えないヘルメット」の開発に成功したと発表。将来的には戦場の兵士や戦車を敵の目から隠すことも可能だという。

「当社の目的は、兵士の身の安全を守り、装備を技術的に強化すること。その最新作が、背景に合わせて色を変化させられるコーティング技術。近く行われる展示会で実演する」とチェメゾフはロシア国営タス通信に語った。「敵の目を欺くための理想的な擬態法だ」

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2008年かそれ以前から、軍事力の近代化を加速させてきた。アメリカとの軍事格差を埋めるために新型のハイテク兵器も次々と開発している。ハリー・ポッターのような「透明マント」技術もその一つ。

アメリカとの差を縮めたいロシア

ドナルド・トランプ米大統領は先の米ロ首脳会談で両国の関係修復を試みたが、安全保障分野に関しては互いに疑念を抱いたままだ。アメリカのほうでは、ロシアが2016年の米大統領選に介入してトランプ勝利を手助けした「ロシア疑惑」がくすぶっている。

一方ロシアは、欧米の軍事同盟であるNATOにアメリカが多大な軍事力を投じてロシアとの国境地帯に戦力を配備したことが、自国の安全保障への脅威になっていると主張。ロシアも国境地帯の戦力を増強し、世界最高水準のミサイル防衛網もかいくぐる核弾頭搭載可能な新型ミサイルも開発した。

「透明マント」技術の実用化が米軍でどこまで進んでいるかは軍事機密だが、開発競争は盛ん。NATOは、トルコで開発された特殊な生地を使って、敵から身を隠せる迷彩服の開発に着手している。肉眼からは隠れられないが、着用した兵士の熱を分散させて熱感知センサーやレーダー探知機から身を隠すことができる。

米ウィスコンシン大学マディソン校の開発チームは6月、人体などが発する赤外線を隠すことができる超薄型の「ステルスシート」を開発したと発表。またカナダのハイテク企業「ハイパーステルス」は、周囲に溶け込んで姿が見えなくなる「光学迷彩」技術を使った「量子ステルス・マント」を開発している。

米軍はもう使っている? イラクで「見えない米兵」を撮影したとされる動画(3分38秒~)


(翻訳:河原里香)

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:戦闘で労働力不足悪化のロシア、インドに照

ワールド

アングル:フロリダよりパリのディズニーへ、カナダ人

ビジネス

NY外為市場=ドル横ばい、米CPI受け 円は週間で

ビジネス

米国株式市場=3指数が週間で下落、AI巡る懸念継続
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 3
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    50歳には「まったく見えない」...信じられないレベル…
  • 6
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    「ドルも弱い」なのになぜ、円安が進む? 「ドル以外…
  • 9
    毛沢東への回帰? それとも進化? 終身支配へ突き…
  • 10
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 10
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中