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愛する者の「死」遺族にどう伝えるか 米国捜査官の場合

2018年7月9日(月)18時41分

7月1日、ケビン・グリーン刑事は今から17年前、遺族に最愛の家族が殺害されたという痛ましい知らせを初めて伝えたときのことを、今でも鮮明に覚えている。写真は昨年10月、ラスベガスで起きた銃乱射事件の追悼場所で祈りをささげる女性(2018年 ロイター/Chris Wattie)

今から17年前、ケビン・グリーン刑事は、遺族に最愛の家族が殺害されたという痛ましい知らせを初めて伝えたときのことを、今でも鮮明に覚えている。

「土曜日の午後3時50分ごろだったとはっきり覚えている」と当時、米ニュージャージー州イーストオレンジの刑事だったグリーン氏は言う。交通指導員をしていた母親に、息子が射殺されたことを伝えた。

「とても心が痛む瞬間だった。母親に子どもを失ったことを知らせなくてはならないのだから」

現在は同州エセックス郡の検察当局で殺人捜査官をしているグリーン氏はそれ以来、数多くの近親者に「通知」をしてきた。それでも、自身の仕事の中でもっともつらい職務であることに今でも変わりはない。慣れて楽になることは決してないと、同氏は言う。

大量殺人や近所での殺人事件、自殺や交通事故死など、米国ではグリーン氏のような人々が、年間数万件もの「死」を近親者に伝えるメッセンジャーの役目を担っている。5人が犠牲となったメリーランド州の新聞社で先週発生した銃撃事件でも、それは初期対応者の仕事だった。

最愛の人を失ったという知らせは、ほとんどの家族を打ちのめすが、それを知らせる人たちも苦しい思いをしている。

「私たちはそれを認めないし、口にもしないが、よく眠れている人など誰もいないし、心に重くのしかかっている」。エセックス郡の検察当局で15年、多くの殺人事件の捜査を指揮してきたトム・ケリー警部補はこのように話す。

家族が知らせを受けたときには、まだ事件が解決していないことが多いのも事を複雑にしている。近親者が知らせを受け止めようとしている時に、捜査官は、例えば被害者がドラッグを使用していたかどうかといった個人的な質問をしなくてはならないこともあるという。

「数日間、そのような質問を続けることもある」とケリー氏は語った。ニュージャージー州ニューアーク市とニューヨーク市西方に位置する他の20の自治体を同氏は管轄している。

捜査官はまた、事件についてあまり語りすぎないよう慎重になる必要があるとケリー氏は述べた。被害者の近親者が容疑者である場合もあるからだ。

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