最新記事

米朝首脳会談

金正恩、そしてトランプもシンガポール到着 厳戒態勢で市民生活に影響も

2018年6月10日(日)21時35分
大塚智彦(PanAsiaNews)

シンガポールに降り立った金正恩国務委員長 REUTERS

<米朝首脳会談に向けて北朝鮮の金正恩国務委員長、そして米国のトランプ大統領がシンガポールに到着。現地は極度の緊張に包まれている>

歴史的な米朝首脳会談を12日に控えた東南アジアの都市国家シンガポールには10日、午後2時45分ごろ(日本時間午後3時45分ごろ)に金正恩・朝鮮労働党委員長が搭乗したエアチャイナ機747が、午後8時25分ごろ(日本時間午後9時25分ごろ)にはトランプ米大統領のエアフォースワンが到着した。

金委員長は宿泊先のホテルに向かった後、夕方からシンガポールのリー・シェンロン首相との会談に臨んだ。トランプ大統領もリー首相と11日に会談が予定されている。その後両首脳は12日午前9時(日本時間同日午前10時)から初の米朝首脳会談にセントーサ島のカペラホテルで臨む。

シンガポールのチャンギ国際空港は6月に入ってから警戒態勢が高まった。以前はなかった全ての国際線到着客の機内持ち込み手荷物が入国審査前に行われ、危険物のチェックが行われていた。空港内では小火器を携行して巡回する兵士や警察官の数も増えるなど水際での厳重な警戒が続いていた。

過熱する報道合戦

シンガポール政府は首脳会議に先立って治安情勢に必要以上に神経をとがらせており、6月初めには日本を含む海外からの報道各社に対し、「身柄を拘束することもありうることを理解するべきだ」と要請。特に北朝鮮側の要人への必要以上の取材を禁止した。

一説によると韓国メディアの一部が事前折衝のためシンガポール入りしていた北朝鮮要人の乗った車両を小突いたためとされている。

また6月7日にはシンガポールの北朝鮮大使の公邸敷地内に韓国・KBS放送の記者2人が「不法侵入」した容疑で逮捕されるなど、緊張が高まっている。両記者は首脳会談取材の記者登録を取り消される可能性も出ている。

シンガポールは「官製報道」による「報道規制」が厳しく、今回の米朝首脳会談も海外からの約3000人の取材陣を国際メディアセンターに集めて「自由な取材」を制限しようとしている。シンガポール側は「混乱を避け、報道陣の安全を確保するため」としているが、「マスコミといえどもシンガポール国内では国内法の遵守が求められる」として法による規制を「当然のこと」として海外のマスコミに秩序ある報道を求めている。

その一方、シンガポールの独占的報道機関であるメディアコープの「チャンネル・ニュース・アジア」は、歴史的首脳会談にシンガポールが選ばれた背景には「安全で米朝両国との良好な関係」を理由として挙げ、当局による海外報道陣への規制は「治安上当然のこと」と政府と同じ見解を示しながらも独占的立場から「完全な首脳会談のカバー」を喧伝している。


金正恩国務委員長のシンガポール到着を伝える韓国メディア KBS News / YouTube

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

情報BOX:トランプ米政権がベネズエラ大統領を拘束

ビジネス

米リビアン、25年納車は18%減で市場予想下回る 

ビジネス

加ブルックフィールド、AI開発者向けに独自のクラウ

ワールド

トランプ氏、インドにロ産原油輸入抑制を再要求 「応
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...強さを解放する鍵は「緊張」にあった
  • 2
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 3
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 4
    2026年の節目に問う 「めぐみの母がうらやましい」── …
  • 5
    ベネズエラ攻撃、独裁者拘束、同国を「運営」表明...…
  • 6
    野菜売り場は「必ず入り口付近」のスーパーマーケッ…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 9
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 10
    「対テロ」を掲げて「政権転覆」へ?――トランプ介入…
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 10
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中