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トランプ流「両面作戦」? イラン核合意破棄でも交渉可能

2018年5月2日(水)17時03分

トランプ大統領は、イラン核合意について3つの欠陥があると主張する。イランによる弾道ミサイル開発に触れていないこと、イラン核施設に対する査察の条件、そして10年後にイランの核開発に対する制限を解除する「サンセット条項」を盛り込んでいることの3点だ。

外交官は、弾道ミサイル開発や核査察の条件面では前進があったとしているが、サンセット条項の問題は依然として未解決のままだ。

ポンペオ氏とムニューシン財務長官は、核合意の修正、もしくは新たな合意形成に向けて、交渉を続ける可能性を示唆している。

「(トランプ大統領は)両面からのアプローチが可能だ。5月中旬以降、制裁猶予を延長しないと決めた上で、制裁が再発効するまでの6カ月の期間を使い、欧州各国にもっと努力するよう促すことができる」と米国の元政府関係者は語る。

「典型的なトランプ流だ。大騒動を巻き起こしつつ、抜け道は残しておく」と指摘したうえで、同関係者は、それは「じわじわと破滅に向かうだけで、それが(この戦術の)結末かもしれない」と語った。

(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

Arshad Mohammed

[ワシントン 20日 ロイター]


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