最新記事

米ロ関係

トランプ、ロシアに警告「立派で高性能なミサイルを飛ばすので備えた方がいい」

2018年4月12日(木)09時56分

4月11日、トランプ大統領(写真)は、ツイッターへの投稿で「ロシアはシリアに飛来する全てのミサイルを撃墜するとしているが、ミサイルは飛んでくるので備えたほうがよい。立派で新しくて高性能なミサイルだ」と警告した。ワシントンで撮影(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)

トランプ米大統領は11日、化学兵器使用の疑惑があるシリアに「ミサイルが向かう」とツイッターに投稿し、シリアのアサド政権を支援するロシアを厳しく非難した。

トランプ大統領の発言は、シリアに向けて発射される米国のミサイルは全て撃墜し、発射地も攻撃するとしたロシア側の警告を受けたもので、シリアを巡る米ロの直接衝突への懸念が高まった。

ホワイトハウスは、トランプ大統領がツイッターで軍事行動の計画を広く公表したとの指摘を退け、軍事行動の日程は明かさなかったと述べた。その上で、依然としてあらゆる選択肢が残されており、大統領が対応を検討しているとした。

トランプ大統領はツイッターへの投稿で「ロシアはシリアに飛来する全てのミサイルを撃墜するとしているが、ミサイルは飛んでくるので備えたほうがよい。立派で新しくて高性能なミサイルだ」と警告した。また、ロシアがアサド政権と同盟を組んでいることに対し「化学兵器で国民を殺し、それを楽しむようなけだものと手を組むべきでない」と批判した。

これに対しロシア外務省は「高性能なミサイルは合法的な政府ではなくテロリストに向かって撃つべきだ」と反発した。

世界保健機関(WHO)の報告によると、ダマスカス近郊にある反体制派の拠点に対する7日の空爆では「毒性が強い化学薬品にさらされたとみられる症状で」43人が死亡、500人以上が治療を受けた。

シリアやロシアは関与を否定している。

トランプ大統領の投稿後、マティス米国防長官は、米政府が情報を精査中であることを強調し、より慎重な姿勢を示した。

アサド政権を非難する十分な証拠があるかとの質問に対しては「まだ作業中だ」と答えた上で、適切であれば米軍は軍事的な選択肢を提供する用意があると付け加えた。

米政府筋はロイターに対し、政府は使用された神経ガスの種類や出所について100%の確証は得ていないが、ヘリコプターから撒かれたことを示す一定の証拠があると述べた。

一方、ロシア議会国防委員会のシャマノフ委員長は、ロシアが米統合参謀本部と直接連絡を取り合っていることを明らかにした。

英国ではメイ首相が、シリア情勢を話し合うために12日に臨時閣議を開催する意向を示した。

英BBCはこれより先、メイ首相は事前に議会承認を求めずにシリアに対する軍事行動への参加を認める方針だと報じていた。

デイリー・テレグラフ紙は、メイ首相が、12日夜にも開始される可能性のあるシリアに対する軍事行動に備え、 英国の潜水艦をミサイルの射程圏内に移動させるよう命令したと報じた。

トランプ大統領の発言を受け、11日の原油先物相場は約3年ぶりの高値に急上昇した。

[ワシントン/ベイルート 11日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=急反落、ダウ768ドル安 FRBは金

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、FOMC据え置き受け下落分

ビジネス

パウエル氏、後任承認までFRB議長代行へ 捜査が解

ビジネス

イスラエル、イラン情報相を排除 国防相「高官標的に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 3
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 4
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 5
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 8
    観客が撮影...ティモシー・シャラメが「アカデミー賞…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 3
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中