南北首脳会談フィーバー、小学生から拘置所の朴槿惠までクギ付けに? 平壌冷麺には長蛇の列
朝鮮戦争の激戦地跡で罵り合う保守vs革新
こういった素直な反応を見せる国民がいる一方で、南北会談に反対する保守陣営と革新系団体が対立するという場面も見られた。
南北首脳会談が行われている板門店から南に7キロの臨津閣。朝鮮戦争の激戦地として知られる場所で、戦争の際に北の銃撃を受けた蒸気機関車が展示されるなど今は公園として韓国国民に親しまれている。そんな観光地に27日午後、保守系団体の会員200名あまりが集まり、南北首脳会談糾弾集会を行った。
「殺人を犯した北朝鮮政権との会談は話にならない平和を装った猿芝居」「今日の出会いは、大韓民国の赤化に向けた戦略」という垂れ幕が掲げられた。
これを見た一般市民や革新系の団体の会員が「こういう集会をどうして今日のような日に、この場所でするんだ!」と抗議すると保守系団体のメンバーは反発し、互いに暴言で罵り合う一触即発の状態になった。
結局、駆けつけた警察が仲裁に入って事なきを得たが、観光で訪れてこの様子を見た市民は「外国人観光客も多く訪れている臨津閣で、このように歴史的な日に暴言を浴びせ合う姿を見せられて残念だ。もっと成熟した姿を見せてもらいたい」と話していた。
かつての保守系大統領たちは?
保守系と言えば、今はソウル拘置所に収容されている朴槿惠、そして李明博、ふたりの元大統領も首脳会談の中継を見たようだ。韓国法務部が通達を出して、全国の拘置所にいる収容者は南北首脳会談の生中継を見られるようにしたからだ。
拘置所の関係者によると、「個別の収容者が南北首脳会談を試聴したかどうかは確認することが出来ない」としながらも「テレビが設置された全ての収容室で生中継が放送された」と話した。
朴前大統領は在任当時の2014年の新年の記者会見で「統一はひと言で言えば大当たりだ」と語り、「統一になれば韓国経済は一段と飛躍することが出来る」と言った。その統一への第一歩が実現した瞬間を彼女は皮肉にも独房でテレビを通して見ることになったわけだ。