最新記事

惑星探査

NASAの新型宇宙望遠鏡が打ち上げに成功 「もうひとつの地球」を探す旅へ

2018年4月27日(金)15時15分
鳥嶋真也

TESSの想像図 (C) NASA GSFC

米国航空宇宙局(NASA)は2018年4月19日(日本時間)、新しい系外惑星探査衛星「TESS」(テス)の打ち上げに成功した。

TESSは約2年かけて宇宙の全天を観測し、太陽系外にある惑星(系外惑星)を発見することを目指す。もしかしたらその中に、生命が存在できる環境をもった、もうひとつの地球のような惑星があるかもしれない。

「系外惑星」を探せ

この宇宙のどこかに、生命にあふれた、もうひとつの地球のような星があるのかということは、誰もが一度は考えたことがあるだろう。

1990年代に入り、太陽以外の恒星を回る惑星、「系外惑星」が発見され始めた。しかし、その惑星に生命がいるのかはもちろん、系外惑星がどんな環境で、この宇宙の中でどんな存在なのかは謎だった。

そこでNASAは2009年、この謎に挑むため、「ケプラー」(Kepler)という探査機を打ち上げた。

ケプラーは「トランジット法」という技術を使って系外惑星を探す。この方法は、恒星の前を系外惑星が通過した際に、明るさが変化することを利用して発見するというもの。ただ系外惑星の有無がわかるだけでなく、その惑星の大きさや質量、密度、さらに大気の組成なども推定することができる。

そしてケプラーによる観測で、これまでに2600個以上もの系外惑星が発見され、そのうち数十個には液体の水が存在する可能性があると考えられている。

nasa002.jpg

TESSの先代にあたる「ケプラー」の想像図 (C) NASA

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米経済、「信じられないほど」力強い=JPモルガンC

ワールド

北朝鮮、圧倒的な軍事力構築を継続へ─金与正氏=KC

ビジネス

米ビザ、四半期利益が予想上回る 堅調な消費動向で 

ビジネス

米国株式市場=続伸、マグニフィセント7などの決算に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 10

    ロシア、NATOとの大規模紛争に備えてフィンランド国…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中