最新記事

ロシア大統領選

プーチン再選確実、ロシア国民が大統領選に望むものは?

2018年3月18日(日)07時27分

3月12日、18日に行われるロシア大統領選でプーチン氏に票を投じようと考えているロシア人の大半は、信頼の根底にあるのは「安定」だと語る。写真はプーチン氏支持者の男性。ミハイロフスクで2月撮影(2018年 ロイター/Eduard Korniyenko)

18日に行われるロシア大統領選で、プーチン氏に票を投じようと考えているロシア人の大半は、信頼の根底にあるのは「安定」だと語る。

ただ、若いロシア人の中には、新たな指導者を求める時期だと信じている者も多い。

国が運営する世論調査会社の最新の調査によれば、首相時代を含め18年近くこの国の実権を握ってきた65歳のプーチン大統領は、69%の支持を得て4選を果たす見通しだ。

今週末の投開票を控え、ロシア国内のあちこちで有権者の話を聞いたロイター記者とカメラマンは、予想されているプーチン大統領の揺るぎない勝利と矛盾するものは何も目にしなかった。

2014年にロシアがウクライナから併合したクリミアの住人は、今回初めてロシア大統領選に投票する。ここに住むエンジニアのアンドレイ・ルキーニフさんは、困難な時に安定を維持できる候補者はプーチン氏だけだと話す。

「ことわざにある通り、川を渡る途中で馬を変えることはしない。他の候補と違い、私が選んだ候補者は必要な安定を提供してくれる」と、ルキーニフさんは言う。

モスクワっ子の学生ユリア・ドュージェワさんは、プーチン長期政権下での経済発展を評価しているという。

「若い世代を代表して、われわれ若いロシア人には全ての扉が開かれていると言える。誰もがチャンスをつかみ、どの地方や町にいても自分を最大限実現することができる」と、ドュージェワさんは話す。

だが、ロシアは変化すべきだと考える人もいる。

モスクワの会計士ナタリア・デメンチエワさんは、自由の拡大を訴える元TVキャスターのクセニア・サプチャーク候補に投票するという。彼女はプーチン大統領に挑戦する候補者8人のうちの1人だ。

「(サプチャーク候補は)真実をオープンに語る。嘘はつかない。現政府の下ではタブーになっている問題も提起する」と、デメンチエワさんはいう。

「この国を支配する次の世代は、1982年から1987年生まれだ。この世代は人数も多く、ソ連時代のことを覚えていない。だから、それほど恐れていない」

政府系のロシア世論調査センターの9日付調査によると、サプチャーク候補の支持率は2%程度になる見通しだ。

これは、投票に行かないと答えた3%を下回る。この中には、立候補資格がないと判断されたことを受けて、大統領選のボイコットを呼びかけている野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の支持者らも含まれる。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

英中銀、プライベート市場のストレステスト開始 27

ワールド

中国、レアアース輸出ライセンス合理化に取り組んでい

ワールド

ウクライナ南部に夜間攻撃、数万人が電力・暖房なしの

ビジネス

中国の主要国有銀、元上昇を緩やかにするためドル買い
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 3
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 4
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中