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「愛してると伝えて」米フロリダの銃乱射の教室で何が起こったのか

2018年2月15日(木)16時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

もちろん家族にSOSを発信した生徒もいた。近所に住むケイトリンは、校内に閉じ込められた姉妹のハンナから助けを求めるメッセージを受け取った。「911に通報して」という指示に当初は信じられない様子で「本気?」と返したケイトリンだがすぐに父親に伝えた。ハンナは同級生が撃たれたことを伝えつつ何度も「恐い」そして「家族にとても愛していると伝えて」とケイトリンに送った。

(ハンナからケイトリンに送られたメッセージ画像)


楽しいはずの教室で、横たわるクラスメート

銃撃された教室で生徒によって撮影された動画は、生々しい恐怖を伝える。床にしゃがむ生徒の前には、生気なく投げ出された他の生徒の脚が映る。短い沈黙の後に銃撃は繰り返され、それに呼応するように辺りはたちまち悲鳴に包まれる。

銃撃を免れた教室を捉えた映像もある。「携帯電話を捨てろ」という声とともに画面に映るのは、救出に駆けつけたSWAT(特殊部隊)隊員らだ。


NBCによると、マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の銃撃事件はアメリカ史上9番目の凄惨なもの。拘束されたクルーズ容疑者は避難する生徒に紛れて校外に逃亡したという報道もある(ABC)。

犠牲者の身元は確認が進められている段階で、連絡がつかない生徒の家族は不安な胸中を明かしている。孫娘の安否がわからない女性は「7NEWS MIAMNI」の取材で「学校に16体の遺体があると聞いているが身元は確認できていないようだ」と話した。

事件は各国のメディアで大きく伝えられているが、なかでもCNNの番組でキャスターを務めるジャーナリストのウルフ・ブリッツァーは、番組冒頭から怒りに満ちていた。目に涙を浮かばせながら、「この国で子供たちが殺されていることを受け入れるなんてできない」と、声を詰まらせた。

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