最新記事

株式市場

米株暴落、なぜここまで深刻な下げになったかわからない

2018年2月6日(火)18時30分
ジョーダン・ワイスマン

株価は先週から下がり始め、2月2日に急落した。これは米労働省が1月の米雇用統計を発表し、賃金の伸び率が市場予想を上回ったことへの反応だった。

投資家に警戒感が広がったのは、FRB(米連邦準備制度理事会)がインフレの加速と景気過熱を抑えるため、利上げペースを上げる可能性が高まったためだった。

利上げで低金利での資金調達が困難になれば、企業業績に影響を与え、株価を押し下げる。つまり株価急落の原因は、米経済が好調すぎて、2月5日に就任したばかりのFRBのジェローム・パウエル新議長が景気過熱を抑えるために金利を引き上げることを投資家が懸念したからだ。

説明が吹き飛んだ月曜の午後

5日朝に米株価が下落して取引が始まった時点では、市場はいつものように神経質なだけに見えた。だが午後に株価が大幅続落したことで、経済データに基づく合理的な説明は全て吹き飛んでしまった。

CNBCはそれを「奇怪な半狂乱」と呼んだ。通常の取引にコンピューター売買が拍車をかけた、と言うトレーダーもいた。この急落が明日、明後日の市場にどう影響するかを知ることさえ難しい。来月や来年、となればなおさらだ。

さらに言えば、2日に株価が下落を始めたこととFRBの利上げ観測は無関係、という見方さえある。英紙フィナンシャル・タイムズはこう書いた。

JPモルガン・アセット・マネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジスト、デービッド・ケリーは、金利上昇でインフレへの懸念が広がったために株価が暴落した、という「多数派の説明」に反論した。

「この2年間、好調を続けた債券市場と株式市場にやっと調整が入った、と説明する方が、多少大雑把だが当たっている」

株価は上下するものだ。今回の急落で、長期にわたる株価上昇は終わったのかもしれない。あるいは一時的な下落かもしれない。

使い古された言い方だが、株価の乱高下で一喜一憂しないためには、数年は必要のない資金で投資するべき、ということだ。今回の暴落の真相もいずれ明らかになるだろう。

(翻訳:河原里香)

© 2018, Slate

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

再送-米政府、海上停滞中のイラン産原油売却を容認 

ワールド

米国防総省、パランティアのAIを指揮統制システムに

ビジネス

米ユナイテッド航空 、秋まで運航便5%削減 中東情

ワールド

米、イラン戦争の目標達成に近づく=トランプ氏
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    メーガン妃、親友称賛の投稿が波紋...チャリティーの場でにじんだ「私的発信」
  • 3
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 4
    BTSカムバック公演で光化門に26万人、ソウル中心部の…
  • 5
    「日本人のほうが民度が低い」を招いてしまった渋谷…
  • 6
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 9
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 10
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 9
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 10
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中