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イラン制裁の皮肉な成果

2018年1月11日(木)16時00分
イライアス・グロル(フォーリン・ポリシー誌記者)

イラン政府はこの難問に悩まされずに済んでいる。制裁違反を問題にされることを恐れたグーグルが自発的にサービスを停止したからだ。

人権活動家などは、グーグルやその他のテクノロジー企業に対し、制裁のルールを厳格に解釈し過ぎないよう呼び掛けてきた。しかし、企業側の弁護士の抵抗が非常に強いという。テクノロジー企業は概してイランのインターネットの自由に理解があるが、「弁護士のところで話が止まってしまう」と、イランなどでのオンライン情報へのアクセスを支援している団体「ASL19」のフェレイドゥーン・バシャル共同事務局長は言う。

企業の行動を変えさせる障害になっているのは、法律だけではない。「イラン系アメリカ人公共問題連盟」のモラド・ゴルバン政治・政策担当部長が言うように、今の政治環境では「イランに弱腰だとは、誰も思われたくない」のだ。

From Foreign policy Magazine

本誌2018年1月16日[最新号]掲載


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