最新記事

ネットアイドル

整形、年齢詐称、生存競争......中国ストリーミングアイドルの過酷な現実

2017年12月14日(木)18時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

中国で人気のストリーミングスター、ファンファンはほぼ休み無く働く SCMP News/Twitter

<ライブストリーミングで稼ぐために美容整形を重ね、年齢を偽ってまでしがみついた女性もキャリア変更を余儀なくされる>

平日10時間以上、週末はこれより忙しく、旧正月の期間と美容整形手術の術後しか休めない仕事――それが中国の「ライブストリーミングアイドル」だ。彼女は中国全土のファンに向けて、一日のうち決められた時間に自分の姿を生中継で歌やダンス、食事風景などを配信し、動画を見た視聴者からの「プレゼント」で生計を立てている。香港英字紙サウスチャイナ・モーニングポストが伝えた。

「見た目と年齢はライブストリーミングを生業にする女性にとって最も大切な要素」。

こう語るのはライブストリーミング界の有名アイドルのファンファン(仮名)。この業界も2015年に彼女が配信を始めたときよりライバルが増え、競争は熾烈になってきたと語る。見た目の美しさが重要なこの世界で生き残りを賭けて、ファンファンは何度も顔や身体にメスを入れ美しさを保つ努力を怠らない。年齢も本当は26歳だが、23歳と偽っている。

ファンファンが必死になるのも無理はない。中国のライブストリーミング業界は約350万のプロとセミプロの配信者がいて、約3億5000万人のスマートフォンからの視聴者がいる一大市場に成長した。ファンファンもプロの配信者として「視聴者に見てもらう」努力を重ねるが、身体は悲鳴を上げている。

一日のなかでもライブストリーミングの視聴率が高い午後8時~午前12時を中心に生活するファンファンの起床時間は遅く、生活は不規則だ。今年の初めに美容整形手術を受けた直後さえ、配信スケジュールを変更して1日2回、午前10時と午後8時に短いセッションを届けた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、ベネズエラ石油「封鎖」に当面注力 地上攻撃の可

ワールド

英仏日など、イスラエル非難の共同声明 新規入植地計

ビジネス

ロ、エクソンの「サハリン1」権益売却期限を1年延長

ビジネス

NY外為市場=円が小幅上昇、介入に警戒感
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中