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アマゾン

データ重視と地域密着で新しい小売モデルを見せつつあるAmazon Books

2017年11月15日(水)19時30分
鎌田博樹(EBook2.0 Magazine)

Amazon Books NY店、Shannon Stapleton-REUTERS

<アマゾンがサンフランシスコ郊外に、13番目のAmazon Booksをオープンした。質の高いデータを現場のインテリジェンスと結びつける新しい小売モデルが姿を現しつつある>

アマゾンは11月3日、サンフランシスコ郊外ウォルナット・クリークのショッピング・モールに13番目のAmazon Booksを開店した。見かけはふつうの本屋だが、Webサイトと同じく、表紙を閲覧する展示方式で、全3,800点ながら、星4つ以上の、地域の顧客属性で絞り込まれたものだけ、というデータ駆動で効率化を目ざしている。

住民、ライバル書店も歓迎

これまでのパターンをみていくと、Amazon Booksが将来的に100店舗を超える規模となることは間違いなく、アマゾンがそこからさらに一般商品、グローバルへの展開を考えていることは確実と思われる。同社が確信を持った新しい小売モデルがどのようなものかを考えるべき時だろう。

ベイエリアの商業紙 The Mercury News (11/02)によれば、店にはとくに地元顧客向けにキュレートされた書籍のコーナーがあり、有名なタイトルの近くには、知名度は低いが良質なお薦め本をペアリングして配置しているという。アマゾン・サイトのナビゲーションでなじみのある誘導方法だ。

またこの地域(ウォルナット・クリークおよびベイエリア)の人々がオンラインでどんな本を買っているかを知ることができる。これは通常の書店以上の地域密着を示すものだ。記事には地元の来店者の好意的コメントを伝えている。図書館も地元書店の常連も「新しいオプション」を歓迎している、と記事は伝えている。ライバルとなる地元書店主もオンラインのアマゾンより歓迎しているという。

店にはキュレーターがおり、その店ならではのセレクションを行う。これまでAmazon Booksについては、アマゾン・ベストセラーをフェースアップで陳列、価格表示なし(プライム会員優待)、といった表面的なことしか伝えられていなかったが、アマゾンの狙いがしだいに明らかになってきたと思われる。おそらく、本好きな人が「地元の本屋」に求めるモデルを、アマゾンなりに持続可能な形で具現化したものということだ。

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