最新記事

中国

習近平と歩む中国の「バブル世代」 苦労知らずの若者が抱く楽観主義

2017年10月22日(日)14時32分

10月17日、民主化運動が弾圧された天安門事件以降に生まれ、空前の経済成長下でほとんどが一人っ子として育ち、近年で最も強力な指導者、習近平氏が権力に就く時に成人した──。彼らを、中国の「バブル世代」と呼ぼう。写真は英語講師のFu Shiweiさん。武漢で9月撮影(2017年 ロイター/John Ruwitch)

民主化運動が弾圧された天安門事件以降に生まれ、空前の経済成長下でほとんどが一人っ子として育ち、近年で最も強力な指導者、習近平氏が権力に就く時に成人した──。彼らを、中国の「バブル世代」と呼ぼう。

繁栄と平和の中で育った世代であり、彼らの祖父母や親の世代が味わった「吃苦(苦しみに耐える)」を体験することなくここまできた。

習氏が任期5年の国家主席として再任されるにあたり、ロイターは「バブル世代」の若者をより深く知ろうと、習氏が国家主席になった5年前の2012年に大学を卒業して就職した男女10人に取材した。

彼ら「2012年組」は、1990年代にこの国に生まれた1億9000万人の若者のほんの一部だ。しかし「習近平の中国」と、その遺産を引き継ぐ世代の内情について、重要な洞察を与えてくれた。

彼らは北京、上海、成都、武漢、そして湖北省蒲団などに住み、家庭環境は多様だ。彼らの親も、工場の元所有者や、飲食店経営者、医者、建設作業員、役場職員や、学校の事務員と多岐にわたる。

彼ら10人は、北京にある中国有数の経済系大学、武漢にある地方大学、成都にある技術大のいずれかを卒業しており、限られた人数しか高等教育を受けることのできない中国では、恵まれているといえる。

それぞれの経験は時に大きく異なるが、共通項も多い。

楽観的でオープンな考え方を持ち、思ったまま行動する傾向がある一方で、祖先や家族に対する義務も重要だと考えている。独身者の一部が結婚のプレッシャーを感じている一方で、伝統的な生き方を拒否する人もいる。

「この世代の良いところは、人生の方向性が多様なことだと思う」と、 27歳のWu Qiongさんは言う。Wuさんは、武漢の女性保険営業員と幼稚園の園長の娘だ。「本当に、皆が同じように生きるより、自分の人生をどう生きたいかを知っている」

彼らは、旅と経験を渇望しており、おおむね恵まれた環境で育った。衣食面で必要なものはほとんど手に入ったし、任天堂の「ゲームボーイ」やバケーションなど、必要以上のものを手にすることもあった。

毎年続く異例の経済成長に慣れきっており、痛みを伴う減速など想像もできない。彼らの世界においては、不動産価格とは上昇するもので、成功を望む若い世代にとって「もろ刃の剣」となっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トルコの和平工程表承認、PKK関係者が「重要な一歩

ビジネス

ラガルドECB総裁、職務に専念と同僚らに伝達 即時

ビジネス

スイス中銀、銀行の流動性支援強化で詳細発表

ワールド

韓国の尹錫悦前大統領に無期懲役、内乱首謀で地裁判決
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポーランドが「核武装」に意欲、NATO諸国も米国の核の傘を信用できず
  • 2
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 3
    中道「大敗北」、最大の原因は「高市ブーム」ではなかった...繰り返される、米民主党と同じ過ち
  • 4
    ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方..…
  • 5
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 6
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 7
    生き返ったワグネルの「影」、NATO内部に浸透か
  • 8
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 9
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 10
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 10
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中