最新記事

日本政治

パラドックス抱える政治家・小池百合子 日本の政治を揺さぶるか

2017年10月11日(水)12時00分

2002年に自民党に入るまで、いくつかの政党を渡り歩いてきた小池氏を日和見主義者と呼ぶ人もいるが、現実主義との見方もある。

政界では、細川元首相の他に、小沢一郎氏や小泉純一郎元首相を師と仰ぎ、アドバイスをもらっている。

いつの日か日本の首相になりたいとの野望を持ち、愛犬に「そうちゃん」と名付けている。由来は、総理大臣の「そう」からきているという。

多くの小池ウォッチャーが、安倍晋三首相になってから、政権に対する不満が募っているはずだと指摘する。

2012年の自民党総裁選では、別の候補を応援した。自民党の推薦が得られないまま、都知事選に立候補したのもこうした背景があるという。

今回、都知事を辞めて国政に打って出るという最大のリスクは、取らないと決めた。次の衆院選までには、態勢を整えるのかもしれない。

成田氏は、小池氏が細川元首相など政治家の先輩たちから学んだ最大のことは「勝負しなければならない時には勝負するということ」だと指摘する。

今回の選挙に出ないことは「ちょっと不思議」だとしながらも「次の勝負のために今を作ったのかもしれない」という。「それがうまくいくかはちょっとわからない。私の印象としては、今回の勝負は中途半端だったかも知れない」──。

(翻訳:宮崎亜巳 編集:田巻一彦)

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版 特集:知られざる小池百合子【本誌10/17号】特集:知られざる小池百合子

新党を率いて永田町に殴り込みをかけた「女刺客」小池百合子は日本政治を変えるのか?

日本政治 小池刺客劇場の危うい幕開け
■経歴 「勝負師」小池がたどった足跡
政党 小池新党と見果てぬ夢
■政党史 政権交代の夢と25年続く新党ブーム
中東 知られざる濃厚アラブ人脈
野党 わが民進党はなぜ失敗したのか?
政党交付金 民進党がため込んだ「カネ」の行方
詳しくはこちら=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米テスラの世界的人員削減、米国や中国でも実施=関係

ビジネス

ユーロ圏貿易黒字、2月は前年比で急増 輸入が大幅減

ビジネス

アジア特化ヘッジファンド、第1四半期は日本株高など

ビジネス

中国の粗鋼生産、3月は前年比-7.8% 需要低迷で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無能の専門家」の面々

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 5

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 6

    キャサリン妃は最高のお手本...すでに「完璧なカーテ…

  • 7

    韓国の春に思うこと、セウォル号事故から10年

  • 8

    中国もトルコもUAEも......米経済制裁の効果で世界が…

  • 9

    中国の「過剰生産」よりも「貯蓄志向」のほうが問題.…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入、強烈な爆発で「木端微塵」に...ウクライナが映像公開

  • 4

    NewJeans、ILLIT、LE SSERAFIM...... K-POPガールズグ…

  • 5

    ドイツ空軍ユーロファイター、緊迫のバルト海でロシ…

  • 6

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 7

    ロシアの隣りの強権国家までがロシア離れ、「ウクラ…

  • 8

    金価格、今年2倍超に高騰か──スイスの著名ストラテジ…

  • 9

    ドネツク州でロシアが過去最大の「戦車攻撃」を実施…

  • 10

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中