最新記事

中国共産党

習近平、権力基盤を強化へ 5分で分かる中国共産党大会

2017年10月11日(水)16時10分

10月11日、中国では18日に第19回共産党大会が始まり、習近平国家主席が権力基盤を一段と強化する見通しだ。写真は上海で9月30日撮影(2017年 ロイター/Aly Song)

中国では18日に第19回共産党大会が始まり、習近平国家主席が権力基盤を一段と強化する見通しだ。同大会の仕組みや重要な議題などを以下にまとめた。

<議題>

5年に一度開かれる党大会は、約370人の新たな中央委員を候補者リストから選出する。党大会終了翌日に開催される中央委員会総会で、党最高指導部の政治局常務委員を候補者リストから決定。現在7人で構成される政治局常務委員の新たな顔ぶれが明らかになる。党大会では、各省の共産党指導者と首長、一部国有企業トップも任命される。

習氏が中央委員会総書記として政治局常務委員にとどまるのは間違いないが、他の常務委員にだれが選出されるかは不透明だ。習氏の下で汚職取り締まりを統括していた王岐山氏が、定年を迎えたにもかかわらず引き続き何らかの重職を担うことができるのかも分からない。

<政策>

習氏は、党大会冒頭で基調報告を行う予定だ。過去5年の党活動を評価するとともに、今後5年間の課題をつまびらかにする。詳しい内容は当日まで厳重に伏せられている。

党大会は具体的な政策よりも政治思想を打ち出す場という側面が強く、注目される点の1つは、汚職への対応が変化するかどうかになるだろう。

党規約は改正され、習氏の政治思想が毛沢東や鄧小平など歴代指導者の思想と同じく基本路線とされる公算が大きい。

<会場と期間>

国営メディアはこれまで党大会の開催期間を伝えていない。ただ2012年の第18回大会はおよそ1週間続いた。

代表者は北京の人民大会堂に参集するが、習氏の基調報告や新指導部選出などの議論は、市内の京西賓館において非公開で行われる。

<代表者>

共産党の第1回大会は1921年に上海で開かれ、代表は13人でその中には若き日の毛沢東も含まれていた。当時の活動家は中国全土でも60人足らずだった。

今回は、全国から2287人が代表に選出されている。今の中央政府指導者から地方の共産党指導者、首長、軍首脳部、大手国有企業幹部など各界の有力者が顔をそろえる。宇宙飛行士やバドミントン女子のオリンピック金メダリストなども選ばれた。

平均年齢は52歳弱、全体の4分の1は女性だ。最高齢は102歳で1936年に入党した人物。現在の党員数は8900万人を超えている。

[11日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

べネズエラ沿岸付近に戦闘機5機、国防相が米国を非難

ビジネス

テスラ第3四半期納車が過去最高、米の税控除終了で先

ビジネス

ホンダ、ブラジルの二輪車工場に440億円投資 需要

ビジネス

マクロスコープ:生活賃金の導入、日本企業に広がる 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 3
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 4
    「人類の起源」の定説が覆る大発見...100万年前の頭…
  • 5
    イスラエルのおぞましい野望「ガザ再編」は「1本の論…
  • 6
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 7
    1日1000人が「ミリオネア」に...でも豪邸もヨットも…
  • 8
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 9
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「航空機・…
  • 10
    AI就職氷河期が米Z世代を直撃している
  • 1
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 4
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 5
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 8
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 9
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 10
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中