最新記事

北朝鮮

北朝鮮の脅威、事業への影響「ある」 日本企業4社に1社

2017年10月18日(水)16時21分

10月18日、10月ロイター企業調査では、北朝鮮の核・ミサイル問題が事業や事業継続計画に具体的な影響を及ぼしていると回答した会社が全体の24%を占めた。都内で先月29日撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

10月ロイター企業調査では、北朝鮮の核・ミサイル問題が事業や事業継続計画に具体的な影響を及ぼしていると回答した会社が全体の24%を占めた。従業員の安全教育やサプライチェーン確保など、対応を進める企業もあるが、事業継続計画を強化したり、新たに策定する企業は1割程度にとどまる。

有事への対応方法がわからず、企業レベルでは難しいとの声も多く聞かれる。

この調査は、資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に9月28日─10月12日に実施。回答社数は240社程度。

北朝鮮問題について、事業や事業計画に「ほとんど影響はない」との回答は60%を占め、「全く影響はない」の16%を合わせると、76%が現時点で影響はないとしている。それでも4社に1社は何らかの影響があると回答した。

緊急時に被害を最小限にとどめ、中核事業の継続あるいは早期復旧を可能とするための事業継続計画(BCP)を策定しているかどうかを聞いたところ、73%が「ある」と回答。そのうち、北朝鮮問題を受けて「強化した」、あるいは「強化を検討している」企業は7%にとどまり、93%は特に「していない」と答えた。

BCPを策定していない企業は全体の27%だが、そのうち、今後も策定を「検討しない」との回答が88%を占めた。

事業継続計画を強化している企業からは「国内外出張者への対応方法を再考」(機械)、「ミサイル着弾も想定。概ね大震災と同様の対応となるが、従業員への安全教育(地下へ退避、放射能の半減期など)を示した」(卸売)といった内容が寄せられた。

他方、「一企業として打てる手はない」(化学)、「何をどう強化すればよいのか、指針も政府からは出ていない」(輸送用機器)など、有事の影響を想定できず、新たな対応を検討していない企業が多数となっている。

(中川泉 編集:石田仁志)

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

南ア中銀、政策金利据え置き 過去の利下げの影響見極

ビジネス

紫金黄金国際、32億ドル規模のIPO 香港で今年最

ワールド

前教皇の路線継承、教理大きく変更せず レオ14世が

ワールド

トランプ氏のアフガン基地返還要求発言、米政府関係者
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 9
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 10
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中