最新記事

米朝関係

北朝鮮、米が宣戦布告と主張 領空外でも爆撃機撃墜など対抗策と警告

2017年9月26日(火)10時35分

米朝間の激しい言葉の応酬は、トランプ大統領が19日に国連本部で行った就任後初の一般討論演説で、米国は北朝鮮を「完全に破壊」せざるを得なくなる可能性があると述べたことが発端。この演説で北朝鮮の金委員長を「ロケットマン」と呼んで非難したことも対立を激化させている。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)によると、金委員長は22日、トランプ大統領の警告に対し「史上最高の強硬対抗措置」を検討するとの異例の声明を発表。金委員長はトランプ氏について「精神が錯乱している」と指摘した。

23日には、北朝鮮の李外相が国連演説でトランプ大統領の発言が「北朝鮮のロケットが米国本土に到達することを不可避にした」と述べ、これを受けて、トランプ氏は「小柄なロケットマンの考えに同調するならば、彼らの先は長くない」とツイッターに投稿した。

北朝鮮は25日、トランプ大統領の「無謀な発言を強く非難する」と表明した。

国連のグテレス事務総長は25日、米朝の激しい言葉の応酬は致命的な誤解を招く恐れがあるとした上で、政治的な解決こそが唯一の方策との考えを示した。

中国の劉結一国連大使は25日、米朝の言葉の応酬について「極めて危険」との認識を表明。北朝鮮の李外相の発言を受け、ロイターに対し「事態の沈静化を望む。過度に危険な状態に陥りつつあり、誰の利益にもならない」と発言。「朝鮮半島の核問題解決に向けて交渉以外に道は無いと(米朝が)認識することを切に希望する。代替的な方策をとれば災難が訪れる」と述べた。

中国外務省の報道官は「事態は極めて複雑で慎重さが求められる」とし、各国が北朝鮮関連の国連決議を確実に履行する必要があるとの考えを示した。

中国国営メディアによると、メイ英首相と電話で協議した習近平国家主席は、北朝鮮問題は対話を通じて平和的に解決すべきとの中国の立場を強調した上で、英国がその実現に向けて建設的な役割を果たすことに期待を示した。

英政府は、英中両首脳は両国が国連安全保障理事会の常任理事国として、外交的な解決策を見出すのを支援する責務を担うとの見解で一致したと明らかにした。

[ニューヨーク/ソウル 25日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中朝首脳が会談、戦略的な意思疎通を強化

ビジネス

デジタルユーロ、大規模な混乱に備え必要=チポローネ

ビジネス

スウェーデン、食品の付加価値税を半減へ 景気刺激へ

ワールド

アングル:中ロとの連帯示すインド、冷え込むトランプ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...地球への衝突確率は? 監視と対策は十分か?
  • 3
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 4
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 5
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 6
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中