最新記事

北朝鮮情勢

トランプの北朝鮮「先制口撃」が危機を加速する

2017年9月4日(月)15時00分
ハリエット・シンクレア

9月3日、北朝鮮の水爆実験を伝える東京の街頭テレビ Toru Hanai-REUTERS

<金正恩が「水爆実験」を行って、トランプの不用意な「武力行使」発言に米議員も神経を尖らせ始めた>

北朝鮮に対するドナルド・トランプ米大統領の場当たり的で挑発的な発言やツイッターが、北朝鮮の暴走に拍車をかけているという懸念が米議会で強まっている。

トランプは8月8日、北朝鮮の核・ミサイル開発に関して報道陣に問われ、これ以上アメリカを脅し続ければ、「世界がかつて目にしたことのない炎と怒りに直面する」と武力行使をちらつかせた。

【参考記事】トランプ「炎と怒り」はトルーマンの原爆投下演説に似ている

そして9月3日、北朝鮮がICBMに搭載できる強力な水爆実験に「完全に成功」したと発表すると、トランプは再びツイッターで北朝鮮に対する軍事攻撃の可能性に言及した。「(これまで対話路線を主張していた)韓国も、対話は役に立たないと気づき始めている。北朝鮮が理解できるのは1つのこと(軍事力)だけだ」

威嚇先行で準備は?

米民主党のホアキン・カストロ下院議員(テキサス州選出)は、週末のテレビの討論番組に出演し、トランプの攻撃的なツイッターを批判した。「まだ32歳の金正恩とツイッターで怒鳴り合っても、得るものはない。むしろ緊張をエスカレートさせている」

「北朝鮮に対する対応は、外交や軍事の専門家に任せるべきだ」

北朝鮮に関するトランプのツイートに関しては、議会の多数を占める与党・共和党からも懸念する声が上がっている。その急先鋒が、米上院軍事委員会のジョン・マケイン委員長(共和党、アリゾナ州選出)だ。

【参考記事】北朝鮮核実験で見えてきた核弾頭量産化の悪夢

マケインは「炎と怒り」発言の翌日に地元アリゾナ州フェニックスのラジオ局KTARに出演して言った。「私はトランプ大統領の発言に反対だ。大統領は、自分がやると言ったことを確実にやれる状況になるまで、それを口にするべきでない」

「私がこれまでに見た偉大な指導者たちは、行動する準備が整っていない限り相手を脅さなかった。トランプ大統領に(北朝鮮に対する)軍事行動を取る準備ができているのか、私には分からない」とマケインは言った。

【参考記事】ロシアが北朝鮮の核を恐れない理由

不用意な発言はやめろということだ。

(翻訳:河原里香)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:戦闘で労働力不足悪化のロシア、インドに照

ワールド

アングル:フロリダよりパリのディズニーへ、カナダ人

ビジネス

NY外為市場=ドル横ばい、米CPI受け 円は週間で

ビジネス

米国株式市場=3指数が週間で下落、AI巡る懸念継続
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 3
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    50歳には「まったく見えない」...信じられないレベル…
  • 6
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    「ドルも弱い」なのになぜ、円安が進む? 「ドル以外…
  • 9
    毛沢東への回帰? それとも進化? 終身支配へ突き…
  • 10
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 9
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 10
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中