最新記事

英王室

ダイアナ元妃は、結婚前から嫉妬に苦しんでいた

2017年6月27日(火)15時00分
ジョシュ・ロウ

完璧に演じた結婚式が悲劇の始まりだった(1981年7月29日) REUTERS

<新しく出版されるカミラ夫人の回顧録が、結婚前からチャールズと激しく言い争い、精神的に追い詰められていくダイアナの姿を明かす>

故ダイアナ元妃とチャールズ皇太子の結婚式が執り行われる数カ月前から、二人は激しく口論し、ダイアナの精神状態も悪化する一方だった。新しく出版されるコーンウォール公爵夫人カミラの回顧録『The Duchess: The Untold Story』はそう明かしている。

カミラは、エリザベス英女王の長男で王位継承順位第1位であるチャールズ皇太子の現在の妻。英デイリーメール紙によれば同著では、1981年7月の結婚式を前にチャールズとダイアナの関係がいかに悪化していたかについて詳述している。

同著を執筆したのは、王族の伝記を数多く出版している作家ペニー・ジュナー。ジュナーによると、ダイアナは結婚前、チャールズとカミラの関係を疑い苦しんでいた。チャールズとカミラは以前に恋仲にあったが、チャールズはダイアナにプロポーズ後、恋愛関係をいったん解消した。

「結婚式までの数カ月間で、ダイアナは人が変わった」とジュナーは記している。「はっきりとした理由もないのに激怒したり、かんしゃくを起こしたり、狂ったように泣いたりした。彼女の気分は一瞬で変化した」

ダイアナは初めのうちはカミラと気が合ったが、結婚式が近づくにつれ、彼女の存在に「悩まされる」ようになったという。

責任はチャールズに

ダイアナの苦しみについて、チャールズが「ある程度の責任」を負わねばならないとジュナーは主張する。チャールズは二人を引き合わせた時、カミラを「ただの友人」として紹介した。

本書によると、ダイアナを「何よりも」怒らせたのは、チャールズがカミラのためにデザインさせたブレスレットだったという。ダイアナは結婚式の直前に、チャールズのアシスタントだったマイケル・コルボーンの机の上に置いてあったこのブレスレットを見つけた。

ダイアナは生前のインタビューで、ブレスレットについて問いただした際にチャールズは「完全にしらを切った」と話していた。それに反してジュナーは新著で、チャールズはダイアナと話し合い、愛する女性はダイアナだけであることをはっきり告げたと記している。

とはいえ、本書は次のように続く。「チャールズ皇太子は嘘つきではないが、この場合、彼には思いやりがなさ過ぎた。婚約者が、自分を悩ませる彼の元恋人にブレスレットを贈ろうとすることで、精神的に不安定な19歳の女性がどんな気持ちになるか、想像しようともしなかった」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インド中銀総裁「低金利は長期間続く」=FT

ビジネス

シャドーバンキング、世界金融資産の51% 従来型の

ワールド

ロシア財政赤字、2042年まで続く見通し=長期予測

ワールド

スーチー氏の健康状態は「良好」とミャンマー軍政、次
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 7
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 8
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中