最新記事

トランプ政権

トランプ、大統領就任100日 公約は果たせたかチェックまとめ

2017年5月1日(月)13時42分


移民と壁

トランプ氏は、不法移民の取り締まり強化と強制送還を公約に掲げていた。メキシコとの国境に壁を建設し、建設費をメキシコに負担させる意向も示していた。

一連の発言の効果もあり、メキシコ国境で今年3月に拘束された不法移民は、過去17年で最低となった。

トランプ氏は国境への壁の建設を主張しているが、予算審議の難航で政府機関が閉鎖される事態を防ぐため、壁の建設予算計上をいったん断念した。

1月27日には、難民とイスラム圏7カ国の市民の入国を一時制限する大統領令を発令したが、連邦裁判所が大統領令を差し止め。3月初旬には、修正を加えた新たな入国制限を命じたが、やはり連邦裁が差し止めを指示した。

トランプ氏は、不法移民を保護する「サンクチュアリ・シティ」(聖域都市)に対して、連邦助金支出を停止する大統領令も出したが、連邦裁はこのほど、差し止めを命じている。

最高裁判事

明確な勝利の一つ。昨年死去した保守派のスカリア氏の後任に同じく保守派のニール・ゴーサッチ氏を任命。民主党の強硬な反対にもかかわらず、議会上院で承認された。

貿易

就任間もなく環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を発表し公約を実行。

北米自由貿易協定(NAFTA)からの離脱もちらつかせていたが、カナダとメキシコとの首脳協議の後、協定停止は求めないことを表明した。

ダンピングや不公正な補助金、「不均衡な」為替、非互恵的な貿易慣行など、貿易赤字の原因の見直しを指示。

中国を為替操作国に認定するとしていたが、4月半ばの為替報告書では見送った。

規制

公約で米経済に悪影響を及ぼしている規制の撤廃を主張。「キーストーンXL」原油パイプラインの建設を承認したほか、オバマ前大統領時代の気候変動関連の各種規制を撤廃した。

国有地での掘削や採掘、その他の開発を推進するため、国定記念物に指定されている自然保護地域や歴史的建造物について指定の見直しを指示したが、反対派からの訴訟も予想されている。

その他、前政権が最後の数カ月で承認した環境、エネルギー、教育、金融サービス分野の規制の見直しを指示。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRBは現行の政策運営枠組み撤廃でより厳格にインフ

ビジネス

米国株式市場=ダウ・S&P上昇、終盤に買い GDP

ワールド

米・ウクライナ、復興投資基金設立協定に署名 米財務

ワールド

原油先物急落、サウジが増産示唆 米WTI21年3月
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 2
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・ロマエとは「別の役割」が...専門家が驚きの発見
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    中居正広事件は「ポジティブ」な空気が生んだ...誰も…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中