最新記事

アメリカ政治

トランプ政権の予算方針は国防費増額 海外援助や環境は大幅減

2017年3月16日(木)17時37分

3月16日、トランプ米大統領は同日に発表する2018会計年度(17年10月─18年9月)の予算案で、国防費を大幅に拡大する。写真はピッツバーグで昨年9月撮影(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)

トランプ米大統領は16日に発表する2018会計年度(17年10月─18年9月)の予算案で、国防費を大幅に拡大する。一方、温暖化対策を担当する環境保護局(EPA)や海外援助事業を中心に国務省の予算は大幅に減らす方針。

マルバニー米行政管理予算局(OMB)局長が15日、記者団に語った。

大統領は16日、裁量的経費だけを対象とした予算の概要を議会に示す。大幅な予算削減は、野党民主党だけでなく、共和党内からも反発が予想され、今後数カ月、議会との調整は難航するとみられる。

マルバニー局長は、大統領は国防、国境対策、法律の施行、教育の選択肢拡大、といった分野で歳出を拡大する方針だと明らかにした。

国防費を540億ドル増やし、同額を他の予算で削減することで、財政赤字は増やさない方針。国境対策を担う国土安全保障省の予算も6.8%拡大する。

メキシコ国境沿いの壁建設費用として、17年度に15億ドル、18年度に26億ドルの予算を充てる計画という。

マルバニー局長は、予算案の骨子について「米国第一」の方針に沿った内容だ、と説明した。

一方、EPAの予算は約31%、国務省の予算は約28%、それぞれ削減する。

同局長は、EPAと国務省の中核機能は維持されると述べた。ただ、海外援助事業や世界銀行や国連の気候変動プログラムなどへの予算削減が見込まれる。

予算骨子には、大統領が掲げる1兆ドルのインフラ整備関連費用は含まれない。インフラ整備計画の詳細は今後発表されるという。

[ワシントン 16日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

雇用統計やCPIに注目、年末控えボラティリティー上

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃

ワールド

シリアで米兵ら3人死亡、ISの攻撃か トランプ氏が

ワールド

タイ首相、カンボジアとの戦闘継続を表明
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 8
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 9
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中