最新記事

北朝鮮

北朝鮮、新型ロケットエンジンを実験 数年でICBM実用か?

2017年3月20日(月)22時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

キム・ドンヨプ慶南大学極東問題研究所教授は、「全体的な大きさと点火時の炎の長さが昨年9月に試験したエンジンと似ている。しかし、補助エンジンが新たに追加されている点に注目する必要がある。北朝鮮が複数のエンジンを制御するのではなく、1基のエンジンだけでICBMの1段エンジンを構成させようという意志が込められている」と分析した。

キム教授は「今回公開したエンジンに外装をしたらそのままでも完成されたICBMの1段エンジンになりかねない。キム・ジョンウン総書記がICBMの完成段階を言及しただけに、初試験発射が近づいているとみられる」と付け加えた。

韓国国防部も20日の定例記者会見で、「北朝鮮の新型高出力ロケットエンジン試験では、主エンジン1基と補助エンジン4基が接続されたものと見られる。エンジン性能に意味のある進展があると評価される」と明らかにした。韓国メディアのヘラルド経済などが伝えた。

北朝鮮は今年に入って2月12日に2月12日北極星2型という中長距離弾道ミサイル(IRBM)発射と3月6日スカッドミサイル発射などを通じて、ICBMの基本的な多段ロケットの分離と姿勢制御、固体燃料エンジンによるコールドローンチなどの技術を誇示している。

18日の実験でICBMのロケットエンジン部分の開発が進んでいることが明らかになったが、実際にICBMを打ち上げるためには、核爆弾の小型化技術と大気圏への再突入技術を管制させなければならない。特に大気圏への再突入に関しては、超高温になるミサイルの外壁に必要な炭素複合材料、標的への誘導技術など最先端の技術が必要となる。

現在世界の多くの国が北朝鮮について経済制裁をしている中で、こうした技術を確保し、実用化するまでには早くて5年、遅くても10年がかかるというのが、軍事関係の関係筋の多くが一致した見方だという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ネクスペリア中国部門「在庫十分」、親会社のウエハー

ワールド

トランプ氏、ナイジェリアでの軍事行動を警告 キリス

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使

ビジネス

伝統的に好調な11月入り、130社が決算発表へ=今
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中