最新記事

北朝鮮

トランプ政権、北朝鮮ミサイル発射の制裁に手詰まり感

2017年2月14日(火)08時55分

ある政府高官の話では、トランプ氏や側近は(1)新たな金融制裁(2)空海軍戦力の増強(3)朝鮮半島内および周辺における合同演習の拡大(4)韓国の新型ミサイル防衛システム導入加速──を今後検討する公算が大きい。

トランプ氏は中国が北朝鮮の核開発にブレーキをかける上で十分な影響力を行使してないとの考えも明らかにしており、先の政府高官はトランプ氏が中国への働き掛けを強めるとの見通しをロイターに語った。もっとも、北朝鮮政治体制の不安定化を避けることが国益にかなう中国は、特に制裁実施において一定程度以上は踏み込まないだろうという。

制裁という点ではトランプ政権が前政権よりも積極的になって、北朝鮮の兵器開発を支援する企業や団体(その多くが中国勢)までを制裁対象に含めるかどうかは分からない。

またトランプ氏が中国の習近平国家主席とこのほど行った電話会談で「1つの中国」の原則を受け入れたことで、北朝鮮問題に関する中国側の協力拡大を引き出せるかどうかもはっきりしない。

こうした中で米ロビー団体「ミサイル防衛擁護同盟(MDAA)」の創設者リキ・エリソン氏は、トランプ政権が韓国と日本のミサイル防衛を迅速に強化すべきだと主張。オバマ前政権が既に土台をほぼ整えているこの取り組みを、速やかに実行する必要があると訴えた。

もっとも米国と韓国が年内の配備に同意している高高度ミサイル防衛システム「THAAD」については、中国が自国の安全保障を脅かすとして強く反対している。

(Matt Spetalnick記者)

Samia Nakhoul

[ワシントン 12日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:値上げ続きの高級ブランド、トランプ関税で

ワールド

訂正:トランプ氏、「適切な海域」に原潜2隻配備を命

ビジネス

トランプ氏、雇用統計「不正操作」と主張 労働省統計

ビジネス

労働市場巡る懸念が利下げ支持の理由、FRB高官2人
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    オーランド・ブルームの「血液浄化」報告が物議...マイクロプラスチックを血中から取り除くことは可能なのか?
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 5
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 6
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 9
    ハムストリングスは「体重」を求めていた...神が「脚…
  • 10
    これはセクハラか、メンタルヘルス問題か?...米ヒー…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 4
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 5
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 6
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 9
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 10
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中