トランプ・蔡英文電話会談は周到に準備されていた?

2016年12月5日(月)13時40分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

 ニクソン政権時代に大統領国家安全保障問題担当大統領補佐官および国務長官などを務めていたヘンリー・キッシンジャー氏は、1971年7月、パキスタン訪問中に体調不良と称して一日だけ姿を消し、極秘裏に北京を訪問した。ニクソン大統領以外はニクソン政権内の者も知る人が少なく、もちろん同盟国・日本の頭越しの訪中であったことから、「忍者外交」として全世界に衝撃を与えた。

 このキッシンジャー氏が、又もや「曲芸」を演じたのである。

 新華網(12月3日電)によれば、12月2日、93歳になるキッシンジャー氏は人民大会堂で習近平国家主席と仲良く対談していたという。互いに相手を絶賛しあい、米中関係の強化を確認していた。

 これに関しては中央テレビ局CCTVだけでなく、中国共産党の機関紙の電子版「人民網」も「中国共産党新聞」で大きく取り上げ、中国では大々的に、そして「誇らしげに!」報道されていたばかりだ。

 そこに飛び込んできたトランプ・蔡英文会談。中国では大きくは報道しなかった。

 習近平国家主席のメンツ丸潰れで、すっかり顔に泥を塗られた形になってしまったからだ。

周到に準備されていたトランプ・蔡英文電話会談――陰にはトランプ陣営大物

 キッシンジャー氏の北京訪問を「曲芸」と名付けたのには、理由がある。

 実はペンタゴンにおける軍事戦略などのシンクタンクの役割も果たしているヘリテージ財団のエドウィン・フュルナー氏がトランプ当選後の10月13日、秘密裏に台北を訪れ蔡英文総統と面談していたのだ。

 11月10日、台湾の三立新聞などが「台米関係は緩和か?トランプ幕僚フュルナー秘密訪台 蔡英文とは20年来の仲」というタイトルの報道をした。このページでは、まず宣伝が出てくるが、15からゼロまでカウントダウンしていき、最後に「×」印が出てくるので、この「×」をクリックして宣伝を消せば、タイトルの情報が出てくる。

 フュルナー氏はヘリテージ財団の総裁を長いこと(2013年まで)務めていたが、今年8月にトランプ陣営に入った。

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