最新記事

日米関係

トランプいよいよ明日外交デビュー アジアへの関与を安倍首相と確認

2016年11月16日(水)19時02分

11月16日、トランプ次期米大統領と安倍晋三首相は17日、ニューヨークで会談する。トランプ氏にとって外国首脳との直接会談は初めて。写真はニューハンプシャー州で10月撮影(2016年 ロイター/Carlo Allegri)

 トランプ次期米大統領と安倍晋三首相は17日、ニューヨークで会談する。トランプ氏にとって外国首脳との直接会談は初めて。政権移行チームの複数のアドバイザーによると、選挙中の発言で動揺した日本などアジア諸国に対し、トランプ氏側が同盟への関与を再確認する場になる見通しだという。

 日本側は日米同盟や自由貿易の重要性を伝えるとともに、首脳同士の個人的な信頼関係を築きたい考えだ。

対アジア外交の基礎になる会談

 トランプ氏は選挙期間を通じ、日本や韓国などが米国の安全保障に「ただ乗りをしている」と批判。米軍駐留費を増額しなければ撤退するなどと公言し、同盟国の間で不安が高まった。

 トランプ氏のアドバイザーの1人は「この会談を通じ、安心感というメッセージを送る」と指摘。「(トランプ氏は)同盟国、そしてアジア太平洋地域に対する長期間のコミットメントを再確認するだろう」と語る。

 9日の大統領選勝利以降、トランプ氏が外国の首脳と直接会うのは、安倍首相が初めて。初会談は隣国のカナダかメキシコのトップという慣例を踏襲しなかった。「日本だけでなく、その他の同盟国、パートナーとの関係の基礎を作る会談になる。アジアのどのパートナーも、この会談の成果を注視していると思う」と同じアドバイザーは話す。

米軍駐留費と日本の役割

 一方の安倍首相は、日米同盟の重要性をトランプ氏に伝える見通し。「アジア太平洋地域は米国経済にとって大切であり、この地域の安定と平和を維持することが、米国の利益にかなうということを説明することになるだろう」と日本の外務省幹部は語った。

 在日米軍の駐留経費も取り上げられる可能性があるが、双方の関係者によると、会談の主要議題にはならない見通しという。

 日米両国政府は日本側が負担する駐留経費について、今後5年間の年平均を1893億円とすることで合意し、今年1月に署名したばかり。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英総合PMI、12月速報は52.1に上昇 予算案で

ビジネス

独ZEW景気期待指数、12月は45.8に上昇 予想

ワールド

ウクライナ提案のクリスマス停戦、和平合意成立次第=

ビジネス

EUの炭素国境調整措置、自動車部品や冷蔵庫などに拡
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 9
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中