最新記事

日本企業

ゴーンCEO「益子社長は残るべき」、株主利益最大化とアライアンス実現のため

2016年10月21日(金)18時06分

10月20日、三菱自動車は、同社の会長に日産自動車のカルロス・ゴーン会長兼社長(写真左)が就任すると発表した。都内で撮影(2016年 ロイター/Issei Kato)

 三菱自動車<7211.T>は20日、日産自動車<7201.T>のカルロス・ゴーン会長兼社長が三菱自の会長を兼務し、益子修会長兼社長が社長として留任する人事を発表した。12月14日付。

 日産は同日、三菱自の発行済み株式の34%を2373億円で取得し、筆頭株主となった。両氏は三菱自の燃費不正問題で失った信頼と悪化した業績の回復を図るとともに提携効果の最大化を目指す。

 両氏は20日夕に都内で会見した。益子氏はもともと、出資受け入れ後に辞任する意向を示していたが、ゴーン氏は、三菱自の利益最大化と日産とのアライアンス実現には益子氏が経営に残ることを「重要な条件」と判断したという。ゴーン氏は「株主が(三菱自の)オーナーであり、利益になる決断を下したい。オーナーの利益を最大にするためには、益子さんは残るべき」と訴えた。

 益子氏は「なかなか気持ちの整理がつかず、前向きに受け入れることができなかった」と吐露したが、ゴーン氏の再建への熱い思いに応え、「もう一度自分を奮い立たせて取り組む。(来年度からの)次期中期計画をしっかりやり遂げる」と話した。

 今後、両社は原材料の共同調達による購買コスト削減や工場の共用、プラットフォームの共有化、自動運転技術の共同開発を進める。三菱自がインドネシアの新工場で生産する新型車のOEM(相手先ブランドによる生産)供給や三菱自のプラグインハイブリッド車の提供なども検討する。将来的にはルノーも含めた協業も視野に入れる。

 三菱自は短期間での提携効果として「2017年度以降に年間250億円を見込む」(益子氏)。営業利益率は17年度に1%、18年度に2%以上の向上を計画。1株当たり利益も17年度に12円、18年度に20円の増加を計画する。

 日産からは、元副社長の山下光彦氏が6月、燃費不正の温床となった開発部門の改革のため副社長として着任しているので、会長となるゴーン氏に加え、川口均専務と軽部博常務の計4人が三菱自の取締役となる。チーフ・パフォーマンス・オフィサー(CPO)のトレバー・マン氏は三菱自の最高執行責任者(COO)に就く。

 (白木真紀 編集:山川薫)

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:トランプ氏のバッド・バニー批判、中間選挙

ビジネス

独VW、28年末までにコスト20%削減を計画=独誌

ビジネス

高市首相と会談、植田日銀総裁「一般的な経済・金融情

ビジネス

地盤ネットHD、井村氏が代表の会社と投資機能活用な
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワートレーニング」が失速する理由
  • 2
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 3
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活動する動画に世界中のネット民から賞賛の声
  • 4
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 5
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 6
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    それで街を歩いて大丈夫? 米モデル、「目のやり場に…
  • 9
    フロリダのディズニーを敬遠する動きが拡大、なぜ? …
  • 10
    世界市場3.8兆円、日本アニメは転換点へ――成長を支え…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 8
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 9
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 10
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中