最新記事

ライフスタイル

嫁ブロックを突破できない人は起業家の才能ゼロ

2016年9月16日(金)16時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

sorbetto-iStock

<夫(妻)が独立や起業を考えていたら、どうすべきか。「配偶者というのはこの世の中でもっとも信頼できる相手」と、『共働き夫婦のためのお金持ちの教科書』著者の加谷珪一氏は言う。同じ会社で定年まで勤め上げることがますます減る今の時代、共働き夫婦には避けて通れない話題だ>

 日本で共働き世帯は増加傾向にある。若い女性の専業主婦志向がメディアで取り沙汰されたりもするが、現実には、結婚したカップルの半数以上が共働き夫婦となる。それも「生活のために...」といった、お金にまつわる消極的な理由を挙げる人が少なくない。

 だが、共働きはむしろ「お金を稼ぐのに有利」だと、ポジティブに捉えるべきではないだろうか。本誌ウェブコラム「経済ニュースの文脈を読む」でお馴染みの評論家であり、億単位の資産を運用する個人投資家でもある加谷珪一氏によれば、夫も妻も「富を生み出す資産」であり、夫婦とはいわば「ポートフォリオ(資産の組み合わせ)」なのだ。

 加谷氏は新刊『30年後もお金に困らない! 共働き夫婦のためのお金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)で、夫婦という資産が生み出す収益を最大化するためには、合理的に振る舞うことが大切だと指摘。マイホームから、貯蓄と投資、保険、子どもの教育費、親の介護と相続まで、共働き夫婦の「収益性」を上げるのに役立つ57の基礎知識を伝授している。

「夫+妻+夫婦」という3つの財布を持つことを推奨する本書から一部を抜粋し、5回に分けて掲載する。第3回は「No.34 嫁ブロックすべきか」から。


『30年後もお金に困らない!
 共働き夫婦のためのお金持ちの教科書』
 加谷珪一 著
 CCCメディアハウス

※第1回:共働きも、お金持ちになりたければ住む場所を選べ
※第2回:子供の学校の集まりにのめり込むのは経済的にムダ

◇ ◇ ◇


●お金持ちになれる人 → まずは嫁ブロックしてみる
●お金に縁がない人 → こうした話をする雰囲気にない or 勝手に決めてしまう

「嫁ブロック」とは、独立や転職を考える夫に対して、妻が反対することを指す言葉です。SMAPの独立騒動で、キムタクの妻である工藤静香さんが独立に反対したと伝えられたことから、あらためて嫁ブロックという言葉が注目されることになりました。

 キムタクの場合には、独立しない方が経済的な利益が大きいと考えられるので、静香さんの行動は、ブロックどころか最適なアドバイスだったのかもしれません。

 それはともかく、一般人の世界でも、せっかくのチャンスを嫁ブロックで生かせないというケースが数多くあるようです。これは逆もあり得るでしょう。妻が新しいことにチャレンジしようとしているのに夫がそれを邪魔するという図式です。

 では実際にパートナーが何か新しいことにチャレンジするという場合には、相手はどう反応すればよいのでしょうか。筆者はもう少しポジティブな意味で、嫁(夫)ブロックをするのがよいと考えています。

とりあえずは反対してみる

 筆者は仕事柄、人から起業などの相談を受けることが少なくありません。中には真剣にアドバイスしたいと思える人もいるのですが、ほとんどが、いわゆる「独立したい病」です。口では独立したいと言うものの、実際には独立しない人たちということなのですが、このようなタイプの人には現実を教えてあげるのが一番です。

【参考記事】学歴や序列さえも無意味な「新しい平等な社会」へ

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

自民と維新、最終合意目指しきょう再協議 閣外協力と

ワールド

米連邦裁、予算枯渇し業務縮小と職員解雇 政府閉鎖で

ビジネス

S&P、フランスを「Aプラス」に格下げ 財政再建遅

ワールド

イスラエルがガザ空爆、26人死亡 その後停戦再開と
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「実は避けるべき」一品とは?
  • 4
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心…
  • 5
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 6
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 7
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 8
    自重筋トレの王者「マッスルアップ」とは?...瞬発力…
  • 9
    「中国は危険」から「中国かっこいい」へ──ベトナム…
  • 10
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 7
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 8
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 9
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇…
  • 10
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中