最新記事

ゲーム

ポケモンGOは長く愛される「本物のコミュニティ」を築けるか

2016年7月28日(木)08時24分
ReadWrite[日本版]編集部


ポケモンGOが地元の企業にとって有益な理由とは

 先ほど話したショッピングセンターのことを思い出してほしい。そこではこのアプリが商売にも大きく貢献している。暑い日に冷たいものを求めて人が集まる人気のアイスクリーム店 Amy's Ice Creamsは、プレイヤーたちでいっぱいになっていた。ここがポケストップになっていたからだ。

 店主やプレイヤーたちは、ルアーと呼ばれるピンクのバーチャルデバイスを購入することができ、これによってその近辺にいるポケモンを30分ほどその場に留めることができる。これにより、その場にいればより効率的にポケモンを捕まえることができるわけだ。

 いまのところ企業が自社の関連する場所をポケストップにする道はないのだが、そのそばにあるだけでもプレイヤーたちに対して休息を取れる場所として大きくアピールすることができるだろう。マーケティング的な観点で言えば、プレイヤーたちが行くであろうところにおもむき、一本の水と共に名刺か自社製品のクーポンを手渡すといったことも考えられる。

 ともあれ、これでプレイヤーを家から引きずり出すのに成功するわけだ。

ポケモンGOが"本物のコミュニティ"を築くまで

 ポケモンGOが防犯に役立ったという例はすでにある。犯人をモンスターボールで捕まえたというわけではないのだが、このゲームにより犯罪を現場で防ぐことができたケースだ。

 米海兵隊のベテラン二人が地元の公園でゲームをプレイしてる時、彼らは母子に嫌がらせをしている男に気付いた。その男は親子連れに次々と嫌がらせをしていったのだが、いよいよ子供に手をかけようとした時、彼らはその男を追い払い警察に報告を入れた。

 警察が到着したとき、その男は殺人の容疑者として捜索中だった人だということがわかったという。

 "互いが同じものに対し関心を持つコミュニティ"というものは、言うまでもなく健全なものだ。このシンプルなARゲームによって、これまで一人でいたか限られたグループとの付き合いしかなかった人も新しい付き合いを見付けられることだろう。

 ポケモンGOが長く愛されるゲームになるか、ただの一時的なブームで花火のように散るか、いずれわかることだろう。現在リリースを控えている、ポケモンGOジムの側に来た時や、ポケモンがいたらアラートを出すウェアラブルの存在は、この祭りの始まりを意味するものなのかもしれない。

 世界中で楽しまれると同時に、新たな問題を引き起こしてもいる『ポケモンGO(Pokémon Go)』。アメリカではついに死亡事件まで起きた。先日リリースされた日本では、まだ大きな事件は起きていないが、小さな問題はポツポツと出てきているし、早くもあまりの盛り上がりに対して「もう冷めた」と言い出す人も出てきている。

 今後の改善は必須だが、上記に挙げたように多くのいい影響を社会に起こしており、特に、運動不足の人や外に出るのを躊躇っていた人が家の外に出るキッカケを生んだという事実は、大変素晴らしいことだろう。どうか「ひと夏の思い出」にならないでほしい、と切に願う。

footerlogo.png
ReadWrite[日本版]編集部

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元カレ「超スター歌手」に激似で「もしや父親は...」と話題に

  • 4

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 9

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 10

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中