最新記事

インタビュー

NY著名フレンチシェフが休業、日本に和食を学びに来る!

2016年6月17日(金)16時12分
小暮聡子(ニューヨーク支局)

――いつかは引退する、ということを考えたことはありますか。

 いや、まったくないね。

――ずっと働き続けると。

 働くのではない。私がやっているのは仕事ではなく楽しみだ。私に仕事なんてものはない。今まで仕事というものをしたことがない。私は幸せ者だ。

◇ ◇ ◇

「楽しんでいる」という言葉どおり、ブーレイ氏はこれから冒険に出る少年のような表情で新店舗の構想について語ってくれた。現在のブーレイがあと数カ月で閉店というのはファンにとっては残念だが、休業期間中は日本でキッチンに立つブーレイ氏の姿が見られるかもしれない。

ny160617-d2.jpg

仕込み中の市村栄司氏(6月15日、ブラッシュストロークにて筆者撮影)

 インタビューを終えてブラッシュストロークを出ようとすると、同じ店内に設けられた8席だけの人気寿司店「イチムラ・アット・ブラッシュストローク」で仕込みをしている日本人の姿が目に留まった。ミシュラン2つ星の腕を持つ寿司職人、市村栄司氏(62)だ。

「ブーレイ休業ですね」としばらく話をしていたら、なんと市村氏も今年の年末を目途に独立するという。カウンター10席の新しい寿司店「イチムラ」は、ブラッシュストロークから徒歩5分程度の69 Leonard Streetにオープン予定。工事の進み具合によって開店時期は前後するかもしれないが、今と同じように1日2回転、メニューは「オマカセ」1本で始める。ブーレイ氏が新しい挑戦をするのを機に、市村氏も心機一転することにしたそうだ。

 年内の休業・独立を前に、この2店はますます予約が取りづらくなるかもしれない。生まれ変わった「ブーレイ」と「イチムラ」にも、今から予約を入れたいくらいだが。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GDP、第1四半期は+1.6%に鈍化 2年ぶり低

ビジネス

ロイターネクスト:為替介入はまれな状況でのみ容認=

ビジネス

ECB、適時かつ小幅な利下げ必要=イタリア中銀総裁

ビジネス

トヨタ、米インディアナ工場に14億ドル投資 EV生
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中