最新記事

小売

店内で栽培した「採れたて」野菜を売るスーパー

製造と販売の高度な融合を目指し、水耕栽培システムを導入する試みだが、都市農業の進化を考えれば必然の流れだ

2016年4月28日(木)17時07分
Social Design News

最高の「採れたて」 店内で栽培した葉もの野菜をそのままその店で売るのだから、これ以上の新鮮さはないだろう Infarm Berlin-YouTube

 スーパーのこれからを考えれば必然的な流れだろう。

 ドイツのスーパーマーケットMETROが、水耕栽培の野菜工場を店内に導入、お店で"まさしく"採れたての野菜を販売し始めている。

 こちらのシステムは、アグリテック企業「INFARM」が開発した水耕栽培システムで、農薬は必要とせず、有機栽培の野菜が生育する。

 ご覧のように、できる野菜は基本"葉もの"。味が美味しく新鮮であることはもちろん、流通にかかるコストや環境への負担も軽減できる。また、クラウドで生育を管理でき、1年を通して野菜を栽培できる高い生産性も兼ね備えている。

sdn160428-b.jpg

Infarm Berlin-YouTube

 都市農業の多様性に富んだ進化は、眩しいばかりだ。家で作るのも、オフィスで作るのも、これからは決して珍しいものではなくなる。であるならば、スーパーやコンビニのような小売店が、水耕栽培システムを店内に導入するという流れは必然である。

【参考記事】テクノロジーで農業の画一化に抗う 東大研究員西岡一洋

 これによって、既存の農家が、今すぐに大きな影響を受けるものではない。しかし、21世紀、農家はいかに進化していくのか?という課題について考えるには、良い時期に差し掛かっている。

 1つ言えることは、こういった根本的な変化の中には、大いなるチャンスも眠っているという事実だ。農業の未来、食べることの未来を想像し、どんな農業のカタチが人類に幸福をもたらすのか。そんなことを皆でより真剣に考えたい時期である。

INFARM:WebFacebook

※当記事はSocial Design Newsの提供記事です
sdnlogo200.jpg


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、週明けの米株安の流れ引き

ワールド

米朝首脳会談の開催提案、韓国大統領がトランプ氏との

ビジネス

トランプ氏、ABCとNBCの放送免許剥奪示唆 FC

ワールド

大韓航空、ボーイング機103機発注 米韓首脳会談に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 2
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」の正体...医師が回答した「人獣共通感染症」とは
  • 3
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密着させ...」 女性客が投稿した写真に批判殺到
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 6
    顔面が「異様な突起」に覆われたリス...「触手の生え…
  • 7
    アメリカの農地に「中国のソーラーパネルは要らない…
  • 8
    【写真特集】「世界最大の湖」カスピ海が縮んでいく…
  • 9
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 6
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 7
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 8
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 9
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 10
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中